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繊維・紙
 
【発明の名称】包装シートのギャザリング装置
【特許権者】
【識別番号】593205129
【氏名又は名称】金子 弘久
【住所又は居所】静岡県富士市厚原543番地
【代理人】
【弁理士】
【識別番号】100088731
【氏名又は名称】三井 孝夫
【発明者】
【氏名】金子 弘久
【住所又は居所】静岡県富士市厚原543
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、支持体に固定され、中心に対して放射状に延びた複数のガイド部材と、隣接するガイド部材の対毎にガイド部材間に円周方向に幾分傾斜するように配置された包装シート押さえ板と、包装シート押さえ板の内側端を各対のガイド部材の一方に摺動自在とする第1の摺動手段と、包装シート押さえ板の外側端を各対のガイド部材の他方に摺動自在とする第2の摺動手段と、第1の摺動手段を対応のガイド部材に沿って一斉に半径方向に摺動するべく駆動する摺動駆動手段と、包装シート押さえ板が隣接した襞状部から離間する方向に支持体と被包装物との間の相対的回転運動を得る手段とを備えた包装シートのギャザリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載の発明において、前記摺動駆動手段は前記第1の摺動手段の各々にこれと一体に設けられたカム従動部材と、外方に湾曲しつつ放射状に延び、カム従動部材が係合するカム面を形成したカム面形成部材と、カム面形成部材の回転駆動手段とよりなり、カム面形成部材の回転によりカム面はカム従動部材をして第1の摺動手段をガイド部材に沿って摺動せしめるようにされていることを特徴とする包装シートのギャザリング装置。
【請求項3】
請求項2に記載の発明において、前記カム面形成部材の回転駆動手段はカム面形成部材と支持体との間に配置される流体シリンダ手段より成ることを特徴とする包装シートのギャザリング装置。
【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
この発明は製紙の原反ロールなどの被包装物の周囲を包装紙などの包装シートにより包装する際の包装紙端部のギャザリング装置に関するものである。
【従来の技術】
製紙の原反に包装紙をロール状に巻き、原反の両端から筒状に突出した包装紙の部位をギャザリングする装置として、移動片を放射状に配置したものが公知である。移動片はボールねじと専用のサーボモータとを備えた型の送り機構に連結され、また、移動片の先端には常態では閉鎖しているがギャザリング時にシリンダ機構の駆動によりV字状に拡開する跳ね出し部材が設けられる。ギャザリング開始時に跳ね出し部材は閉鎖しており、この状態で各移動片をそれぞれのサーボモータによるボールねじの回転により半径内方に移動させ、閉鎖状態の跳ね出し部材により原反の両端から筒状に突出した包装紙を絞ってゆき、跳ね出し部材をV字状に拡開させることにより、跳ね出し部材に接触する包装紙の部分を原反の端面に押し付けることにより、原反に押し付けられた部位の間において包装紙を襞状に形成する。この状態において原反を回転させることにより襞状部は原反の端面に折り込まれ、ギャザリングが完成する(特許文献1参照)。
【特許文献1】
特開平2−219717号公報
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では放射状に配置される各移動片は専用のサーボモータを備えて、各移動片に設置される跳ね出し部材をエアシリンダによりV字状に拡開させることにより包装紙を原反の端面に押し付けている。そのため、従来技術の構成では、移動片の個数分サーボモータ及びエアシリンダが必要となり、部品点数が増大することにより大幅なコスト増となる問題点があった。この発明は以上の問題点に鑑みてなされたものであり、低コストであるにも係わらず綺麗なギャザリングを行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、支持体と、支持体に固定され、中心に対して放射状に延びた複数のガイド部材と、隣接するガイド部材の対毎にガイド部材間に円周方向に幾分傾斜するように配置された包装シート押さえ板と、包装シート押さえ板の内側端を各対のガイド部材の一方に摺動自在とする第1の摺動手段と、包装シート押さえ板の外側端を各対のガイド部材の他方に摺動自在とする第2の摺動手段と、第1の摺動手段を対応のガイド部材に沿って一斉に半径方向に摺動するべく駆動する摺動駆動手段と、包装シート押さえ板が隣接した襞状部から離間する方向に支持体と被包装物との間の相対的回転運動を得る手段とを備えた包装シートのギャザリング装置が提供される。
請求項1の発明の作用・効果を説明すると、包装シート押さえ板の一斉移動による襞状部の形成及びこれに継続する包装シート押さえ板と被包装物の相対移動により被包装物に対する包装シート端部のギャザリングを綺麗にかつ効率的に実施することができる。
支持体上での包装シート押さえ板の一斉移動により襞状部を形成し、これに継続した支持体と被包装物の相対移動により、襞状部から包装シート押さえ板を抜去しつつ襞状部を被包装物端面に折り畳むことができ、包装シート端部のギャザリングを綺麗にかつ効率的に実施することができると共に電動モータやエアシリンダ等の高コストの部品点数削減により装置コストの低減を図ることができる。
放射状に延びた複数のガイド部材における連接したガイド部材の対毎に包装シート押さえ板は内端が一方のガイド部材に第1の摺動手段により連結され、外端が他方のガイド部材に第2の摺動手段により連結される。そのため、第1の摺動手段をガイド部材に沿って摺動させることで、一対のガイド部材間を包装シート押さえ板は姿勢を少しづつ直立させながら半径内方に一斉に移動される。そのため、原反の両端から筒状に突出した包装紙の部位は包装シート押さえ板により原反の端面に押し付けられ、包装シート押さえ板により原反の端面に押し付けられた原反の部位は襞状に形成される。その後、支持体と被包装物との間の相対的回転運動により包装シート押さえ板は近接した襞状部から離間方向に移動され、包装シート押さえ板により襞状部が原反端面上に折り畳まれ、ギャザリングが完成する。この発明では包装シート押さえ板は摺動駆動手段により一斉に駆動されることにより包装紙を原反端面に押し付け襞状部を形成しているため、駆動用のアクチュエータを最小の数で済ますことができ、低コストであるにも係わらず綺麗なギャザリング形状を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記摺動駆動手段は前記第1の摺動手段の各々にこれと一体に設けられたカム従動部材と、外方に湾曲しつつ放射状に延び、カム従動部材が係合するカム面を形成したカム面形成部材と、カム面形成部材の回転駆動手段とよりなり、カム面形成部材の回転によりカム面はカム従動部材をして第1の摺動手段をガイド部材に沿って摺動せしめるようにされていることを特徴とする包装シートのギャザリング装置が提供される。
請求項2の発明の作用・効果を説明すると、隣接するガイド部材対毎にガイド部材間に円周方向に幾分傾斜して設けられる包装シート押さえ板の内端側の第2の摺動手段にカム従動部材を設け、このカム従動部材に回転カム面を係合させることによりガイド部材に沿った第1の摺動手段の摺動運動が得られ、その結果、包装シート押さえ板は内端側では第1の摺動手段によりガイド部材に摺動自在に案内され、外端側では隣接したガイド部材に第2の摺動手段により摺動自在に案内されていることから、包装シート押さえ板はその半径内方への移動の間に少しずつ立ち上がりながら包装シートを原反端面に押し付けてゆく。カム機構を使用することにより最小数の原動機構(エアシリンダなど)により包装シート押さえ板の一斉移動を行わしめることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明において、前記カム面形成部材の回転駆動手段はカム面形成部材と支持体との間に配置される流体シリンダ手段より成ることを特徴とする包装シートのギャザリング装置が提供される。
請求項3の発明の作用・効果を説明すると、襞状部の折り畳みのための支持体の回転角度は包装シート押さえ板の設置数にもよるが30度程度であり、流体シリンダ手段により低コストでかつ確実な折り畳み作動を得ることができる。
【発明の実施の形態】
図1において、10は被包装材としてのロール状原反であり、包装シートとしての包装紙12によって包囲されている。包装紙12は原反10から軸線方向に突出した筒状部12aを有しており、この発明のギャザリング装置14は包装紙12におけるこの筒状部12aを絞ることにより襞状に形成し、この襞状部を原反10の端面に折り畳むことによりギャザリングを行うためのものである。
ギャザリング装置14は支持円板16(この発明の支持体)を備え、支持円板16は支持軸18上に固定される。支持軸18は支持台20に回転自在に軸支されると共に、スプロケット22及びチェーン23を介し回転駆動モータ24(この発明の相対的回転運動を得る手段)の出力軸24-1上のスプロケット26に連結される。そのため、回転駆動モータ24の出力軸24-1の回転はスプロケット26、チェーン23及びスプロケット22を介し支持軸18に伝達され、支持円板16を30度といった所定角度回転せしめる。
支持円板16に加えてこの発明のギャザリング装置14は、更に、放射状の多数のガイドロッド28と、包装紙押さえ板(この発明の包装シート押さえ板)30を備える。各ガイドロッド28は図2に示すように中心軸に対して幾分オフセットするように延びており、外側端はブラケット32Aにより、内側端はブラケット32Bにより、それぞれ支持円板16上に固定されている。各包装紙押さえ板30はガイドロッド28の隣接対毎に設けられ、図2に示すように外側に張り出した円弧状をなし、かつ円周方向に幾分傾斜しており、内端30-1と外端30-2(図2及び図3参照)とを呈している。隣接する一対のガイドロッド28において、包装紙押さえ板30の内端30-1は円周方向の一側におけるガイドロッド28上の内側スライダ33(この発明の第1の摺動手段)に連結され、包装紙押さえ板30の外端30-2は円周方向の他側におけるガイドロッド28上の外側スライダ34(この発明の第2の摺動手段)に連結される。内側及び外側スライダ33, 34はケーシングの内部にリニアベアリング35(図4参照)を内蔵しており、ガイドロッド28上でのスムースな直線運動が可能である。内側スライダ33のケーシングは内側連結棒36の一端のフランジ部36-1にボルト38などにより固定され、内側連結棒36の他端のフランジ部36-2(図3参照)は包装紙押さえ板30の内端30-1に回転可能に連結される。包装紙押さえ板30とフランジ部36-2とを回転可能とするためフランジ部36-2は図示しないがローラベアリングを内蔵しており、包装紙押さえ板30からピンがローラベアリングのインナレースに延びている。外側スライダ34のケーシングは外側連結棒40の一端の筒状フランジ部40-1(図4)にボルト41などの固定具により固定され、外側連結棒40の他端の筒状フランジ部40-2(図3)は包装紙押さえ板30の外端30-2に回転可能に連結される。包装紙押さえ板30とフランジ部40-2とを回転可能とするためフランジ部40-2も図示しないがローラベアリングを内蔵しており、包装紙押さえ板30からピンがローラベアリングのインナレースに延びている。このようにして、支持円板16上の隣接する一対のガイドロッド28間における包装紙押さえ板30の回動式の取付けが行われている。
支持円板16の外側において支持軸18上にカム円板42がそのボス部42-1において軸受44によって回転自在に取付けられている。カム円板42の外周に沿った適当に間隔を置いた部位において支持円板16上に内側にスリットを形成した振れ止め金具46が固定され、カム円板42の外周が振れ止め金具46のスリットに延びている。そのため、支持円板16に対するカム円板42の回転を許容しつつカム円板42の振れ止め機能を得ることができる。図5に示すようにカム円板42はガイドロッド28と同数の放射状の外向き湾曲状のカム溝48を形成している。他方、図4に示すように内側スライダ33のケーシングには連結棒50が一端のフランジ部50-1においてボルト52により連結棒36と同芯になるように固定されている。連結棒50は支持板16に放射状に形成される直線状スリット54を介して外側に延出し、自由端にはカム従動体としてのローラベアリング56がそのインナレースにて取付けられる。ローラベアリング56はそのアウタレースが図3に示すように湾曲カム溝48に位置している。
カム円板42の駆動用のエアシリンダ58は図2に示すように直径対立位置に略接線方向に点対称になるように一対設けられる。エアシリンダ58はその本体が支持円板16にブラケット60(図1)により取付けられ、エアシリンダ58のピストンロッド58-1はブラケット62によりカム円板42に固定される。エアシリンダ58のピストンロッド58-1を図2の伸張状態から収縮させることにより支持円板16に対してカム円板42は図2の時計方向(矢印a方向)に回転され、包装紙押さえ板30は半径内方に向けて一斉移動される。包装紙押さえ板30のこの一斉移動の過程を図6によって詳細に説明すると、図2のエアシリンダ58のピストンロッド58-1が伸張した状態では図3に示すようにローラベアリング56はカム溝48の外端側に位置しており、隣接するガイドロッド28の対において、スライダ33, 34は最も外周側に位置し、スライダ33, 34に内、外端30-1, 30-2がそれぞれ連結された包装紙押さえ板30も半径方向における最も外側に位置している。図2のピストンロッド58-1を収縮させてゆくとカム円板42は支持円板16に対して矢印aの方向に回転し、図3においてローラベアリング56と係合するカム溝48の外向き湾曲形状故にローラベアリング56は中心方向の力を受け、ローラベアリング56に連結軸50を介して連結された内側スライダ33はガイドロッド28上を中心に向けて矢印fのように摺動し、内側スライダ33に内側連結棒36を介して連結された包装紙押さえ板30は中心側に牽引され、包装紙押さえ板30の外端30-2も同方向に牽引される。そして、包装紙押さえ板30のこの外端30-2は対となる隣接したガイドロッド28上の外側スライダ34に外側連結棒40を介して連結されている。そのため、図6においてカム円板42の矢印aの方向への回転につれて、包装紙押さえ板30は半径内方に向けて順次(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)のように移動して行き、その際、隣接する対となるガイドロッド28の間の間隔が徐々に狭まってゆくため、この間隔の縮小を補償するべく包装紙押さえ板30の半径内方に向けての(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)の如き移動につれて包装紙押さえ板30は徐々に立ち上がって(円周方向に対する傾斜角度を大きくして)行く。
図1において支持軸18は原反側の端部において位置決め板64を供えている。位置決め板64は図示しないベアリングによって支持軸18に軸支されている。そのため、ギャザリング装置14の軸方向の位置決めを行いつつ同装置のスムースな回転運動を確保することができる。
次に、この発明の装置による包装紙のギャザリングについて説明すると、図1において原反10の外周には包装紙12が巻かれており、その両端12aは原反10の端面から筒状に突出している。そして、支持台20は原反10の端面から離間して位置している。エアシリンダ58は最初はそのピストンロッド58-1は伸張状態にあり、このとき包装紙押さえ板30は図1に示すように最も半径方向の外側に位置している。このときの包装紙押さえ板30は半径方向において原反10より外側に位置している。ギャザリング開始前における原反10の端面側よりみた包装紙押さえ板30と原反10との位置関係は図7(イ)に示す。
次いで、図1において支持台20は原反10の端面に向けて移動され、支持軸18の端部の位置決め板64が原反10の端面における中心部に当接することにより支持台20の移動は停止される。この停止位置においては包装紙押さえ板30は軸線方向において原反10の端面よりわずか外側に位置している。
次に、エアシリンダ58への空気圧の切替によりピストンロッド58-1は最伸張状態から収縮を開始し、カム円板42が支持円板16に対して矢印a方向に回転することによりカム溝48によりカム従動体としてのローラベアリング56が半径内方に移動せしめられ、図6(イ)〜(ホ)に関連して既に説明したように隣接した一対のガイドロッド28上で内側スライダ33及び外側スライダ34が半径内方に摺動し、包装シート押さえ板30はその姿勢を徐々に直立させつつ(円周方向に対する傾斜を増しつつ)半径内方に徐々に移動してゆく。この過程において、先ず、図7の(ロ)で示すように包装紙押さえ板30はその内端が原反10の端面からの包装紙の筒状突出部12aを円周方向における間隔をおいた部位で押し下げ、その結果、包装紙の筒状突出部12aは原反端面から見て円周方向に波状に絞られる。
図7の(ロ)から包装紙押さえ板30の半径内方への移動が(ハ)〜(ヘ)と進んでゆくと、包装紙押さえ板30に当接した包装紙の部分12a-1は原反10の端面に押し付けられ、原反10の端面に押し付けられた包装紙の部分12a-1の間では包装紙の部分12a-2は襞状に形成され、包装紙押さえ板30の半径内方への移動につれて包装紙押さえ板30の先端はこの襞状の部分12a-2に徐々に食い込んで行く。隣接する包装紙押さえ板30間では一方の包装紙押さえ板30の内端の上方に他方の包装紙押さえ板30の外端が位置していることから襞状部12a-2はこれを形成する包装紙押さえ板30に隣接する包装紙押さえ板30により上から押さえられるため、襞状部12a-2は原反の端面に向けて折り畳まれて行く傾向を呈する。図7の(ト)は、図2のエアシリンダ58のピストンロッド58-1の収縮が最大となったとき、即ち、包装紙押さえ板30の半径方向における最内側位置(図6の(ホ)に相当する位置)を示す。
次に、図7の(ト)の状態から図1のモータ24の駆動によって支持円板16及びその上のガイドロッド28及びその上の包装紙押さえ板30並びにカム円板42は回転され、この回転方向は図7の(ト)の矢印bにて示し、この回転方向bは包装紙押さえ板30がそれが形成した襞状部12a-2から抜去されてゆく回転方向である。包装紙押さえ板30の内端がそれが形成した襞状部12a-2から抜去されてゆくと、襞状部12a-2は回転方向の下流側の包装紙押さえ板30により上から押し付けられるため、襞状部12a-2は原反端面に押し付けられ、最終的には(チ)に示すように、包装紙押さえ板30は襞状部12a-2から完全に抜去され、原反10の端面上への襞状部12a-2の折り畳みは完了される。包装紙押さえ板30を襞状部12a-2から完全に抜去させるために要する回転角度は30度程度であるからこの実施形態のような回転モータ24の代りに空気圧若しくは油圧シリンダ機構を採用することが可能である。
最後に、図1において支持台20は原反端面から軸線に沿って離間する方向に移動され、次の原反のギャザリングの準備のためエアシリンダ58(図1)への空気圧が切り替えられ、ピストンロッド58-1は伸張される。すると、図2及び図3においてカム円板42は矢印aと反対方向に回転せしめられ、図3においてカム溝48によってローラベアリング56は半径外方(矢印fと反対方向)に駆動され、ローラベアリング56に連結軸50にて連結されたスライダ33はガイドロッド28に沿って半径外方に移動するよう付勢され、この力は包装紙押さえ板30の外端30-2に連結された外側スライダ34に伝達され、外側スライダ34は対応のガイドロッド28上を半径外方に摺動駆動される。そのため、包装紙押さえ板30は一斉に半径外方に向けて移動し、その際、その包装紙押さえ板30に対応する一対のガイドロッド28間の間隔が拡開して行くため、半径外方への包装紙押さえ板30の一斉移動につれて各包装紙押さえ板30は図6の(ホ)、(ニ)、(ハ)、(ロ)の順で寝る方向(円周方向に対する傾斜角度を小さくして行く方向)に回動してゆき、包装紙押さえ板30が原反10の半径外方位置まで拡開した図7(イ)と同様な初期位置(図6(イ))に復帰される。
以上説明した包装紙押さえ板30の半径内方若しくは半径外方への移動はスライダ33, 34が対応のガイドロッド28との間にリニアベアリング35を備えていることからカジリなどを生ずることなく極めてスムースに行うことができる。
図8は原反10の端面への包装シート12のギャザリング(菊折り)が完了した状態を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明のギャザリング装置の断面図である。
【図2】図2はこの発明のギャザリング装置における支持円板に対する包装紙押さえ板の配置状態を示しており、図1の大略II−II線に沿って表される矢視図である。
【図3】図3は図1及び図2のギャザリング装置における支持円板に対する包装紙押さえ板の取付け状態を模式的に示す斜視図である。
【図4】図4は図1の部分詳細図であり、支持円板上のガイドロッドに対するスライダの配置状態を説明するためのものである。
【図5】図5はカム円板におけるカム溝の配置を示しており、図1の大略V−V線に沿って表される矢視図である。
【図6】図6は図2の部分図であり、カム円板の回転時における包装紙押さえ板の移動状態(イ)〜(ホ)を示す。
【図7】図7は被包装物に対する包装紙押さえ板の状態を示し、図1の大略VII−VII線に沿って表される矢視図であり、包装紙のギャザリングの進行状況(イ)〜(チ)を段階を追って示すものである。
【図8】図8はギャザリング完成時の被包装物端面に対する包装紙の曲折状態を示す図である。
【符号の説明】
10…ロール状原反
12…包装紙
12a…包装紙の筒状
14…ギャザリング装置
16…支持円板
18…支持軸
20…支持台
24…回転駆動モータ
28…ガイドロッド
30…包装紙押さえ板
32A, 32B…ブラケット
33…内側スライダ
34…外側スライダ
42…カム円板
46…振れ止め金具
48…カム溝
56…ローラベアリング
64…位置決め板
【図1】
図
【図2】
図
【図3】
図1
【図4】
図2
【図5】
図3
【図6】
図4
【図7】
図5
【図8】
図6
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