閉じる
運輸
 
【発明の名称】車輪走行装置
【特許権者】
【識別番号】515238851
【氏名又は名称】清遠 貢
【代理人】
【識別番号】100086737
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 和秀
【発明者】
【氏名】清遠 貢
【要約】
【課題】貯蓄エネルギーのみで、車輪の走行距離を従来よりも格段に長くすることができる車輪走行装置を提供すること。
【解決手段】車輪2と、走行路3とを備え、車輪2は、転動走行体5,5と、主重心位置偏心用錘6と、一対の補助重心位置偏心用錘7,7とを備え、走行路3は、レール9を備える。錘を回転中心より上側にした状態で、レールの任意の転動区間における下り斜面13aの最大高さ位置P1に車輪を載せ、この載せた状態で、車輪を転動方向へ押して、車輪が下り斜面を転動させると、車輪に位置エネルギーによる運動エネルギーと錘による回転エネルギーとを合計した貯蓄エネルギーが貯蓄され、車輪2が複数の転動区間を転動走行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪と、走行路とを備え、
前記車輪は、間隔規制体と、一対の転動走行体と、主重心位置偏心用錘と、少なくとも一対の補助重心位置偏心用錘とを備え、
前記間隔規制体は、前記一対の転動走行体の対向間隔を一定の間隔に規制するものであり、
前記一対の転動走行体は、金属製で、且つ、前記間隔規制体を間にしてその幅方向両側で一体連結され、且つ、前記間隔規制体の直径より大きい直径を有し、且つ、回転中心が前記間隔規制体の回転中心と一致し、
前記主重心位置偏心用錘は、前記車輪の重心を主に偏心させる金属製の錘であり、前記一対の転動走行体間で前記回転中心から偏心した位置において位置調整可能に配置され、
前記一対の補助重心位置偏心用錘は、前記車輪の重心を補助的に偏心させる金属製の錘であり、前記一対の転動走行体間で、前記主重心位置偏心用錘と同方向へ前記回転中心から偏心し、且つ、前記回転中心と前記主重心位置偏心用錘とを結ぶ直線に対し該直線に直交する方向に対称の位置にそれぞれ位置調整可能に配置され、
前記走行路は、レールと、ガイドと、を備え、
前記レールは、金属製で、水平面に平行な下面と、転動走行方向に等間隔の複数の転動区間を有した上面とを有し、且つ、前記各転動区間毎に、下り斜面と上り斜面とを転動方向にこの順序で有し、且つ、前記複数の転動区間全体に亘って、前記下り斜面と前記上り斜面とが一定の曲率で連続していると共に、前記水平面からの前記下り斜面の最大高さと前記上り斜面の最大高さとが等しく、且つ、前記水平面からの前記下り斜面の最小高さと前記上り斜面の最小高さとが等しく、且つ、前記下り斜面と前記上り斜面との水平方向における長さ比率が、300〜400:95〜110であり、且つ、前記下り斜面の水平面に対する下り勾配が3〜5度であり、且つ、前記上り斜面の水平面に対する上り勾配が14〜18度であり、
前記ガイドは、プラスチック材料で作成され、前記一対の転動走行体の対向間隔より短いガイド幅でもって、前記レール上面のレール幅方向中間に設けられ、且つ、前記レールの前記複数の転動区間全体の下り斜面と前記上り斜面とに沿う厚み形状を有し、
以上の構成において、前記主重心位置偏心用錘と前記車輪の回転中心と任意の前記転動区間の前記下り斜面の最大高さ位置とを垂直線上に一致させて前記車輪を前記下り斜面の前記最大高さ位置に載せた状態で、前記車輪を前記下り斜面に向けて押すと、前記車輪が、前記ガイドで案内されつつ前記レール上の各転動区間を転動して走行していく、ことを特徴とする車輪走行装置。
【請求項2】
前記走行路が、下り斜面と上り斜面とを1つの転動区間とする走行路単位の複数が平面視円環状に配置され、1つないし複数の前記車輪が前記平面視円環状の走行路上を転動走行することが可能になっている、請求項1に記載の車輪走行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車輪が下り斜面を下ったときに貯蓄したエネルギーを利用して、車輪を走行させる車輪走行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
後記の特許文献1には、下り斜面を走行するときに自然に発生した加速エネルギーを、一旦、蓄え、その貯蓄エネルギーを、車輪の走行のアシストに利用する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−203882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の車輪走行装置では、上記貯蓄エネルギーが放出されてしまうまでは、車輪は走行を継続するが、その走行距離は、一般には、短い。そのため、上記貯蓄エネルギーは、車輪の走行のアシストとして利用できても、貯蓄エネルギーのみでの車輪の走行距離は、短く限られたものとなる。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、貯蓄エネルギーのみで、車輪の走行距離を従来よりも格段に長くすることができる車輪走行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による車輪走行装置は、車輪と、走行路とを備え、
前記車輪は、間隔規制体と、一対の転動走行体と、主重心位置偏心用錘と、少なくとも一対の補助重心位置偏心用錘とを備え、
前記間隔規制体は、
前記一対の転動走行体の対向間隔を一定の間隔に規制するものであり、 前記一対の転動走行体は、
金属製で、且つ、前記間隔規制体を間にしてその幅方向両側で一体連結され、且つ、前記間隔規制体の直径より大きい直径を有し、且つ、回転中心が前記間隔規制体の回転中心と一致し、
前記主重心位置偏心用錘は、
前記車輪の重心を主に偏心させる金属製の錘であり、前記一対の転動走行体間で前記回転中心から偏心した位置に位置調整可能に配置され、
前記補助重心位置偏心用錘は、
前記車輪の重心を補助的に偏心させる金属製の錘であり、前記一対の転動走行体間で、前記主重心位置偏心用錘と同方向へ前記回転中心から偏心し、且つ、前記回転中心と前記主重心位置偏心用錘とを結ぶ直線に対し該直線に直交する方向に対称の位置にそれぞれ位置調整可能に配置され、
前記走行路は、レールと、ガイドと、を備え、
前記レールは、
金属製で、水平面に平行な下面と、転動走行方向に等間隔の複数の転動区間を有した上面とを有し、且つ、
前記各転動区間毎に、下り斜面と上り斜面とを転動方向にこの順序で有し、且つ、
前記複数の転動区間全体に亘って、前記下り斜面と前記上り斜面とが一定の曲率で連続していると共に、前記水平面からの前記下り斜面の最大高さと前記上り斜面の最大高さとが等しく、且つ、
前記水平面からの前記下り斜面の最小高さと前記上り斜面の最小高さとが等しく、且つ、
前記下り斜面と前記上り斜面との水平方向における長さ比率が、300〜400:95〜110であり、且つ、
前記下り斜面の水平面に対する下り勾配が3〜5度であり、且つ、
前記上り斜面の水平面に対する上り勾配が14〜18度であり、
前記ガイドは、
プラスチック材料で作成され、前記一対の転動走行体の対向間隔より短いガイド幅でもって、前記レール上面のレール幅方向中間に設けられ、且つ、
前記レールの前記複数の転動区間全体の前記下り斜面と前記上り斜面とに沿う厚み形状を有し、
以上の構成において、前記主重心位置偏心用錘を前記車輪の回転中心より上方にして当該主重心位置偏心用錘と前記車輪の回転中心と任意の前記転動区間の前記下り斜面の最大高さ位置とを垂直線上に一致させて前記車輪を前記下り斜面の前記最大高さ位置に載せた状態で、前記車輪を前記下り斜面に向けて押すと、前記車輪は、前記ガイドで案内されつつ前記レール上の各転動区間を転動して走行していく、ことを特徴とする。
【0007】
本発明において、好ましい実施態様では、前記走行路が、下り斜面と上り斜面とを1つの転動区間とする走行路単位の複数が平面視円環状に配置され、1つないし複数の前記車輪が前記平面視円環状の走行路上を転動走行することが可能になっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、主重心位置偏心用錘を車輪の回転中心より位置的に上側にした状態で、レールの任意の転動区間における下り斜面の最大高さ位置に車輪を載せ、この載せた状態で、車輪を転動方向へ押して、下り斜面を最大高さ位置から最小高さ位置に転動させると、車輪には、位置エネルギーと、当該車輪と前記主重心位置偏心用錘及び前記補助重心位置偏心用錘の回転エネルギーとが貯蓄されたエネルギーが貯蓄されている。この貯蓄エネルギーは、前記錘が無い車輪よりも大きいエネルギーとなっている。
【0009】
そして、本発明では、レールの下り斜面と上り斜面との水平方向の長さの比率を300〜400:95〜110とし、且つ、下り斜面の水平面に対する下り勾配を3〜5度とし、上り斜面の水平面に対する上り勾配を14〜18度としたので、車輪が上り斜面を登りきったときにも、上記貯蓄エネルギーの一部が残存している。そのため、車輪は、当該次の転動区間以降の転動区間も転動走行していくことができる。従って、本発明によれば、貯蓄エネルギーでもって、車輪を、従来よりも、格段に長い距離、転動走行させることができる。
【0010】
特に、一対の補助重心位置偏心用錘が、主重心位置偏心用錘と同方向へ前記回転中心から偏心し、且つ、前記回転中心と前記主重心位置偏心用錘とを結ぶ直線に対し該直線に直交する方向に対称の位置に配置されているので、車輪は、回転バランスが向上し、その結果、各転動区間の水平方向における平均走行速度や、各転動区間の通過時間、等が安定化する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】(a)走行路上の車輪の正面図、(b)走行路上の車輪の正面断面図。
【図2】走行路と、その走行路上の車輪との側面図。
【図3】車輪の斜視図。
【図4】水平面上の走行路と、その走行路上の車輪との側面図。
【図5】走行路の斜視図。
【図6】(a)水平面上の走行路に車輪を載せた状態の側面図、(b)車輪が第1区間の下り斜面の途中にある図、(c)車輪が第1区間の下り斜面の最小高さにある図、(d)車輪が第1区間の上り斜面の途中にある図、(e)車輪が第1区間の上り斜面の最大高さ位置にある図、(f)車輪が第2区間の下り斜面の途中にある図。
【図7】走行路の変形例の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る車輪走行装置を説明する。
【0013】
図1〜図5を参照して、車輪走行装置1は、車輪2と、走行路3とを備える。車輪2は、間隔規制体4と、左右一対の転動走行体5,5と、主重心位置偏心用錘6と、一対の補助重心位置偏心用錘7,7とを備える。
【0014】
間隔規制体4は、鉄等の金属製で、断面円形の筒状または柱状であり、転動走行体5,5の対向間隔を一定間隔に規制するもので、幅が約22mmである。
【0015】
転動走行体5,5は、鉄等の金属製で、間隔規制体4の幅方向両側で間隔規制体4を貫通するボルト8で連結されている。転動走行体5,5は、幅が約13mmであり、直径は間隔規制体4の直径より大きい約112mmである。転動走行体5,5は、回転中心が、間隔規制体4の回転中心と一致している。転動走行体5,5の転動走行面は、レール9と点接触できるように外方に湾曲している。転動走行体5,5の全体の重量は、約1030gである。転動走行体5,5同士の対向間隔は、約22mmである。
【0016】
主重心位置偏心用錘6は、主に車輪2の重心位置を回転中心から偏心させる金属製の錘であり、転動走行体5,5間に渡されて設けられている。主重心位置偏心用錘6は、前記回転中心を水平に通る直径線L1より上方で且つ回転中心を垂直に通る直径線L2上において転動走行体5,5の半径(=約56mm)の半分以下の距離(約28mm)内の位置に位置調整可能に固定されている。主重心位置偏心用錘6は、一対の転動走行体5,5の全体の重量の1/10〜1/15程度の重量を有しており、実施形態では、約75gである。主重心位置偏心用錘6は、車輪2の重心位置を偏心させることで、車輪2の回転エネルギーを増大させ、回転中心からの偏心距離が大きいほど、その回転エネルギーをより増大させる。
【0017】
補助重心位置偏心用錘7,7は、補助的に車輪重心位置を回転中心から偏心させる金属製の錘であり、転動走行体5,5間に渡されて設けられている。補助重心位置偏心用錘7,7は、前記回転中心を水平に通る直径線L1より垂直上方で且つ回転中心から転動走行体5,5の半径の1/6以下程度の距離(約10mm)内で垂直上方の位置を位置調整可能に固定されている。補助重心位置偏心用錘7,7は、回転中心と主重心位置偏心用錘6とを通る直径線L2に対して水平方向左右対称の位置にそれぞれ固定配置され、且つ、重量はそれぞれ、転動走行体5,5の全体の重量の1/10〜1/15の重量をそれぞれ有しており、実施形態では、それぞれ、約75gである。補助重心位置偏心用錘7,7は、主重心位置偏心用錘6よりも回転中心からの偏心距離が短く、そのため、回転エネルギーの増大を補助的に増大させる。
【0018】
走行路3は、レール9と、ガイド10と、を備える。
【0019】
レール9は、アルミ等の金属製で、平坦な水平面11上に載置可能な平坦な下面12と、転動走行方向において等間隔に複数の転動区間S1,S2,…,Snを有した上面13とを有する。レール9の上面13における複数の転動区間S1,S2,…,Sn(図面では、S1及びS2の全体と、S3の一部のみを図示。)は、その全体にわたって、下り斜面13aと上り斜面13bとを車輪2の転動方向にこの順序で有している。各転動区間S1,S2,…,Snは、同じ仕様の区間であるので、転動区間S1〜S3を代表的に説明する。
【0020】
レール9の各転動区間S1〜S3において水平面からの下り斜面13aの最大高さと上り斜面13bの最大高さは、共に高さH1で等しく、且つ、水平面からの下り斜面13aの最小高さと前記上り斜面の最小高さは、共に高さH2で等しい。
【0021】
レール9の各転動区間S1〜S3内において下り斜面13aと上り斜面13bとの水平方向における長さ比率は、300〜400:95〜110であり、実施形態では、下り斜面13aの水平方向の長さは、約350mmであり、上り斜面13bの水平方向の長さは、約100mmである。これにより、下り斜面13aは、上り斜面13bより約3倍以上、水平方向において長い。
【0022】
レール9の各転動区間S1〜S3の下り斜面13aの水平面に対する下り勾配は3〜5度であり、上り斜面13bの水平面に対する上り勾配は14〜18度である。実施形態では、下り斜面13aの下り勾配は約4度であり、上り斜面13bの上り勾配は約16度である。
【0023】
転動区間S1〜S3内において、下り斜面13aと上り斜面13bは半径R=約150mmの曲率を有する曲面で連続している。任意の転動区間内の上り斜面13bと該任意の転動区間の隣りの転動区間の下り斜面13aは半径R=約150mmの曲率を有する曲面で連続している。
【0024】
ガイド10は、プラスチック製であり、転動走行体5,5の対向間隔より短いガイド幅を有し、実施形態では約20mmである。ガイド10は、転動走行体5,5がレール9上を転動走行する際に主重心位置偏心用錘6に接触しないガイド高さを有する。ガイド10は、レール9上面のレール幅方向中間に設けられている。
【0025】
ガイド10は、レール9の全体にわたって下り斜面13aと前記上り斜面13bとに沿って均一な厚み形状を有している。
【0026】
図6を参照して、車輪2のレール9上における走行を説明する。
【0027】
まず、図6(a)に示すように、車輪2を、ガイド10の第1の転動区間S1の下り斜面13aの最大高さ位置P1上に載せる。このとき、車輪2は、主重心位置偏心用錘6と車輪2の回転中心とを通る直径線L2が最大高さ位置P1に一致し、且つ、主重心位置偏心用錘6が回転中心より垂直上方となるように、セットする。
【0028】
次いで、車輪2を転動走行方向へ押す。
【0029】
そうすると、車輪2は、図6(a)から図6(b)、そして図6(c)に示すように、第1の転動区間S1の下り斜面13aを最大高さ位置P1から最小高さ位置P2まで下り斜面13a上を転動していく。そして、この転動によって、車輪2には、位置エネルギーが運動エネルギーに変換された加速エネルギーが蓄積される。同時に、車輪2の重心位置が主重心位置偏心用錘6と補助重心位置偏心用錘7,7とによって、回転中心より上方の位置に偏心しているので、車輪2には、第1の転動区間S1の下り斜面13aを転動していくと、加速エネルギーには、これら錘6,7,7による回転エネルギーが加わる。このことにより、車輪2には、加速エネルギーと回転エネルギーとを合計した貯蓄エネルギーが車輪2に貯蓄される。
【0030】
図6(c)に示す最小高さ位置P2にまで転動した車輪2は、上記貯蓄エネルギーで上り斜面13bを登っていく。このとき、転動走行体5,5とレール9は共に金属製で、且つ、転動走行体5,5とレール9とが点接触状態であるため、それらの接触抵抗により喪失される貯蓄エネルギーは小さい。そのため、車輪2は、上記貯蓄エネルギーにより、図6(c)、図6(d)から図6(e)に示すように、上り斜面13bの最大高さ位置P3まで登る。この貯蓄エネルギーは、上り斜面13bを登るためのエネルギーに費やされるものの、車輪2が最大高さ位置P3に到達した時点でも、車輪2には貯蓄エネルギーの一部が残存している。
【0031】
そのため、車輪2は、転動方向に押されなくても、次の第2の転動区間S2の下り斜面13aを、図6(f)に示すように、自動的に転動走行していく。そして、それ以降は、上述と同様、車輪2は、複数の転動区間を転動走行する。
【0032】
なお、実施形態では、車輪2の重心位置を、主重心位置偏心用錘6と補助重心位置偏心用錘7,7の位置を調整することにより、調整すると、車輪2の回転エネルギーが増大し、これにより貯蓄エネルギーが増大する結果、車輪2を、より多くの転動区間にわたって転動走行させることができる。
【0033】
また、実施形態では、補助重心位置偏心用錘7,7が、直径線L2に対して対称位置に配置されているので、車輪2の回転のバランスが向上すると共に、車輪2の回転エネルギーを増大させることができ、車輪2を、より多くの転動区間にわたって転動走行させることができる。
【0034】
また、実施形態では、レール9の下面12が、水平面に平行で、且つ、転動区間全体に亘って、下り斜面13aと上り斜面13bとを一定の曲率で連続させ、水平面からの下り斜面13aの最大高さと上り斜面13bの最大高さとを等しく、且つ、水平面からの下り斜面13aの最小高さと上り斜面13bの最小高さとを等しくしたので、車輪2の貯蓄エネルギーが複数の転動区間にわたって均等に得られる結果、車輪2の回転エネルギーの利用効率が高まり、車輪2をより多くの転動区間にわたって転動走行させることができる。
【0035】
また、実施形態では、下り斜面13aと上り斜面13bとの水平方向における長さ比率が、300〜400:95〜110とし、且つ、下り斜面13aの水平面に対する下り勾配を3〜5度、上り斜面13bの水平面に対する上り勾配が14〜18度としたので、車輪2が上り斜面13bを登ったときの貯蓄エネルギーがより残存し、車輪2をより多くの転動区間にわたって転動走行させることができる。
【0036】
図7は、走行路3の一形態である。この走行路3は、下り斜面13aと上り斜面13bとを1つの転動区間とする走行路単位の複数、実施形態では24単位が平面視円環状に配置されて構成されている。そして、車輪2は、この円環状の走行路3上を転動走行する。
【0037】
この円環状の走行路3の一利用形態として、24個の車輪2それぞれにアームの一端を取り付け,各アームそれぞれの他端側を、環状走行路3の中心にある回転軸に取り付ける。この回転軸は、発電機の回転軸である。そうすると、複数の車輪2それぞれが環状走行路3上を同一方向に転動すると、各アームが回転し、これに伴い、回転軸が回転され、前記発電機で微電力を得ることができる。これはちょうど、水車発電機と同様の発電である。
【0038】
以上から実施形態では、貯蓄エネルギーのみでの車輪2の走行距離を従来よりも格段に長くすることができるようになった。
【0040】
また、本発明によれば、水平面を確保できるエリアがあれば、地球上の何処の場所にでも、走行路をその水平面に設置し、そのレール上に車輪を載せて連続的に走行させることができる。
【0041】
このように、本発明は、車輪がレールの下り斜面を下降して貯蓄したエネルギーが、上り斜面を登るエネルギーよりも、勝るようにしたことに発想の原点がある。
【0043】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、例えば、発電機や、遊具、等に利用することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 車輪走行装置
2 車輪
3 走行路
4 間隔規制体
5 転動走行体
6 主重心位置偏心用錘
7 補助重心位置偏心用錘
8 ボルト
9 レール
10 ガイド
11 水平面
12 走行路下面
13 走行路上面
13a 下り斜面
13b 上り斜面
P1 車輪載せ位置
S1〜S3 転動区間
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5 
【図6】
図6 
【図7】
図7 
発明者からのメッセージ

昨今は、エネルギー問題が注目されている。原発、火力発電、風力発電、太陽光発電他各々大きなメリットはあるが、逆に多大なデメリットもある。
現在は、そのデメリットが目立っている。この考案はエネルギー源を従来の物質や自然に求めず、又副産物の発生が無いことが主な目的である。
そして、地球上、屋内どこでも天変地異の無い限り水平面さえ確保出来れば設置可能である。本考案の試作機は、形状が小さいため発生するエネルギーは小さいが適度の大きさにすれば必然的にエネルギーは拡大すると思われる。本考案は特殊車輪の下降エネルギーが上昇エネルギーに僅かでも勝ることが原点である。
私は、単独、個人で35年間試行錯誤し、その結果、特許取得が出来ました。本考案に対し少しでも興味が頂ける方は是非アクセスの程よろしくお願いいたします。
Recently, people put more and more focus on energy issues. Nuclear power, thermal power, wind power, and solar power generation give us enormous profits, however, there are some negative effects as well. Those negative aspects are more prominent lately. The aim of my invention is to provide energy resources without relying on nature and naturally existing materials with less production of negative by-products. You can set this product in any horizontal indoor places on the earth as long as there is not any extraordinary natural occurrence. The proto-version of this invention is rather small, so the amount of energy it can produce may not be sufficient enough. Enlarging its size, the more energy will be produced. The original energy resource of this product is a specific car wheel’s descending kinetic energy sightly beating its ascending energy. I have been struggling with making and developing my invention on my own for about 35 years, and as the result, I could obtain the patent right for my invention. If anyone want to know about my invention, please check the website or make contact to me.
ページtop へ