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【発明の名称】駐車場管理システム
【出願人】
【識別番号】597051528
【氏名又は名称】佐藤 恒
【住所又は居所】鹿児島県霧島市国分中央1丁目19―30―4
【発明者】
【氏名】佐藤 恒
【住所又は居所】鹿児島県霧島市国分中央1丁目19―30―4
【要約】
【課題】駐車場に読み取り装置や発信機などの設備を設置しなくとも、車両が駐車した駐車場の把握と入出庫の時間を正しく管理して駐車場を運営でき、駐車場のオーナーやユーザにとっても利便性のある駐車場管理システムを提供する。
【解決手段】駐車場管理サーバが、駐車場に駐車しようとするユーザの携帯通信端末のGPS位置情報の緯度と経度の値が、ユーザの指定した駐車場の場所情報が持つ緯度と経度で表された形状のエリア内かエリア外かを識別し、その識別情報を車両の入出庫の判定に使用することを特徴とする。
【選択図】図9
選択図
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場管理サーバが、駐車場名が表示された駐車場に駐車場IDを与えて登録駐車場とする手段と、緯度と経度のペアで構成された駐車場の場所情報を、駐車場IDに紐付けして駐車場管理サーバに格納する手段と、ユーザの携帯通信端末と交信し、ユーザのリクエストに最適な駐車場候補を利用可能な駐車場から抽出してユーザに送信し、駐車場候補の中からユーザが指定した駐車場名を受信する手段と、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報である緯度と経度のペアが、ユーザが指定した駐車場の場所情報の地点を所定範囲で囲う緯度と経度のペアと一致するかしないかの識別し、前記識別内容を車両の入出庫の判定に使用する手段を有することを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項2】
駐車場管理サーバが、駐車場名が表示された駐車場に駐車場IDを与えて登録駐車場とする手段と、複数個の緯度と経度のペアで構成された駐車場の場所情報を、駐車場IDに紐付けして駐車場管理サーバに格納する手段と、ユーザの携帯通信端末と交信し、ユーザのリクエストに最適な駐車場候補を利用可能な駐車場から抽出してユーザに送信し、駐車場候補の中からユーザが指定した駐車場名を受信する手段と、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報である緯度と経度のペアが、ユーザが指定した駐車場の場所情報で形成される形状のエリア内かエリア外かを識別し、前記識別内容を車両の入出庫の判定に使用する手段を有することを特徴とする駐車場管理システム。
【請求項3】
前記の登録駐車場の場所情報は、駐車場管理サーバが、駐車場の権利者の携帯通信端末と交信し、駐車場名の登録リクエストと、駐車場の位置における携帯通信端末の緯度と経度のペアで構成されたGPS位置情報を受信して得られたものであることを特徴とする請求項1乃至2に記載の駐車場管理システム。
【請求項4】
前記の登録駐車場の場所情報は、駐車位置までの通路上に設定された仮想駐車場所の緯度と経度のペアで構成された場所情報を含むことを特徴とする請求項1乃至2に記載の駐車場管理システム。
【請求項5】
前記の利用可能な駐車場は、駐車場管理サーバが、携帯通信端末を介して駐車したユーザから近隣の駐車場の駐車状態の情報を得て、得た情報が常時反映された駐車場管理サーバの利用状況のデータから抽出した駐車場であることを特徴とする請求項1乃至2に記載の駐車場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の駐車場を管理する駐車場管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、駐車場の経営者、駐車場の提供者、そして、ユーザにとって、低コストで利便性があり、且つ、駐車した場所を把握して車両の入出庫を正しく計測して運営される駐車場のシステムが望まれていた。そのような課題を解決する方法として、次のような技術が知られていた。
文献1では、識別が可能なICタグを車両に搭載し、駐車場には駐車時間証明装置を備えて、ICタグリーダでICタグの情報を読み出して、駐車した時間と場所を管理するシステムが提示されている。
【0003】
文献2では、ユーザの携帯端末が、各駐車場に設置された固有の識別信号を発信する発信機と近距離通を行う一方で、管理サーバとも遠距離通信を行うシステムが提示されている。
【0004】
文献3には、各駐車場に設置された近距離の無線局があり、情報通信端末間に無線通信が確立されると、ユーザの情報通信端末から位置情報を受信している。端末を持つユーザが歩行中であるか車両で移動中であるかというユーザの行動情報を推定して、ユーザの利用開始と終了を判定している。
【0005】
文献4には、ユーザの通信端末が、駐車場に表示された読み取りコードを読み取り、読み取りコ ードに対応する駐車場のパーキングシステムを運営するサイトに接続して時間貸し駐車の手続きを行うことが提示されている。
【0006】
文献5には、管理コンピュータを介して、駐車場の所有者が使用許可を通知し、ユーザが使用許可されている駐車場を検索して、駐車時間を含めた駐車場の利用契約を行なうシェアパーキングを行うことが提示されている。
これらの技術によって、駐車場所と駐車時間を電子的に管理することができるようになってきていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】 特許第5786396号公報
【特許文献2】 特許第6186531号公報
【特許文献3】 特許第6351093号公報
【特許文献4】 特許第6156959号公報
【特許文献5】 特開2003−216988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の技術には、しかしながら、次のような課題があった。文献1は、ICタグを準備し車両に取り付ける必要があり、さらに駐車場を管理する側にはICタグ読み取り装置が必要であった。そのため、これらが搭載された車両でなければ、駐車の記録を行うことができなかった。また、読み取り装置が携帯通信端末である場合は、巡回する監視員が必要であった。
【0009】
文献2、文献3では、各駐車場に固有の識別信号を発信する発信機や通信端末との通信機がある駐車場でなければ駐車できないという課題があった。また、そのため駐車場を運営するための装置コスト、設置コスト、およびランニングコストは、無視できないものであった。
さらに文献3では、ユーザの行動情報は解析によるものであるので、実際の行動と違いがある可能性を否定できないという課題があった。
【0010】
文献4では、駐車場に読み取りコードが設置されるが、風雨に晒される屋外の駐車場では、次第に識別困難になっていくので、定期的な読み取りコードの巡回チェックや交換が必要であった。また、ユーザが車室内から車窓越しに読み取りコードを読み取るのは困難であることが多い。その場合、一旦、車両から降りて携帯通信端末をかざして読み取らなければならないため、ユーザにとっては手間がかかるという欠点があった。
【0011】
文献5では、実際の入出庫時間の計測ではなく、駐車場の予約した契約時間を入出庫としているので、ユーザにとって制約が多く、状況によっては過払い感などのストレスを感じさせるという欠点があった。また、駐車場の場所の登録は、区画の住所であるので、実際に駐車場所と異なるケースがあった。正確な位置情報が求められていた。さらに、駐車契約は、管理コンピュータを介してではあるが、駐車場の所有者とユーザの交信で行われる
ので、所有者にとっては、完全自動のシステムではなく運営の手間がかかるシステムであった。
【0012】
以上のように、従来の駐車場管理システムでは、駐車した駐車場の把握と入出庫の確認を行うために、駐車場に読み取り装置や発信機などの設備を設置しなければならなく、その準備の時間とコスト、及びその後のランニングコストが重荷になっていた、また、ユーザにとっては、それらの設備に対応するためのコストや手間がかかっていた。
課題は、駐車時間と場所を正しく把握し、且つ低コストで駐車場の運営管理ができ、駐車場のオーナーやユーザにとっても利便性のある駐車場管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明では、駐車場管理サーバが、駐車場名が表示された駐車場に駐車場IDを与えて登録駐車場とする手段と、駐車場の緯度と経度の場所情報を、駐車場IDに紐付けして駐車場管理サーバに格納する手段と、ユーザの携帯通信端末と交信し、ユーザのリクエストに最適な駐車場候補を利用可能な駐車場から抽出してユーザに送信し、駐車場候補の中からユーザが指定した駐車場名を受信する手段と、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報である緯度と経度のペアが、ユーザが指定した駐車場の場所情報の地点を所定範囲で囲う緯度と経度のペアと一致するかしないかの識別し、前記識別内容を車両の入出庫の判定に使用する手段を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の別の形態では、駐車場管理サーバが、駐車場名が表示された駐車場に駐車場IDを与えて登録駐車場とする手段と、複数個の地点で構成された駐車場の緯度と経度の場所情報を、駐車場IDに紐付けして駐車場管理サーバに格納する手段と、ユーザの携帯通信端末と交信し、ユーザのリクエストに最適な駐車場候補を利用可能な駐車場から抽出してユーザに送信し、駐車場候補の中からユーザが指定した駐車場名を受信する手段と、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報である緯度と経度のペアが、ユーザが指定した駐車場の場所情報で形成される形状のエリア内かエリア外かを識別し、前記識別内容を車両の入出庫の判定に使用する手段を有することを特徴とする。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記の登録駐車場の場所情報は、駐車場管理サーバが、駐車場の権利者の携帯通信端末と交信し、駐車場名の登録リクエストと、駐車場の位置における携帯通信端末の緯度と経度のペアで構成されたGPS位置情報を受信して得られたものであることを特徴とする。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記の登録駐車場の場所情報は、駐車位置までの通路上に設定された仮想駐車場所の緯度と経度のペアで構成された場所情報を含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の好ましい形態では、前記の利用可能な駐車場は、駐車場管理サーバが、携帯通信端末を介して駐車したユーザから近隣の駐車場の駐車状態の情報を得て、得た情報が常時反映された駐車場管理サーバの利用状況のデータから抽出した駐車場であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の効果について、以下に発明の内容ごとに説明する。
請求項1記載の発明においては、ユーザが指定した駐車場の緯度と経度のペアで構成された登録駐車場の場所情報と、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報がマッチングすれば入庫、離れれば出庫と判断される。
本発明により、従来から入庫と出庫の判断のために用いられた発振器やカメラ或いは読み
取り機のような設備が不要となり、駐車場にそのような特別な設備を設置しなくとも駐車の開始と終了を正しく判定することができるようになった。よって、従来の駐車場管理システムと比較して、設備コストやランニングコストを大きく削減でき、駐車場の立上げだけでなく、メンテナンスに関わる維持運営が簡易化された。また、ユーザ側にとっても、特別な装置を車両に搭載することなく、ユーザの所持する携帯端末だけで駐車できるというメリットがある。
【0019】
また、管理サーバが、登録駐車場の場所情報の緯度と経度の座標点だけでなく、その点を所定範囲で囲う緯度と経度の点も含めて、携帯通信端末のGPS位置情報とのマッチングを行うことで、GPSの精度ばらつきをカバーした入出庫の判定が行えるメリットがある。
【0020】
請求項2記載の発明においては、登録駐車場の場所情報が複数個の緯度と経度の地点で登録されてあり、それらの地点で形成される形状のエリアを駐車場管理サーバ算定する。ユーザの携帯通信端末が、ユーザの指定した駐車場のエリアの内にあるかエリア外かの識別が行われて、その情報が車両の入出庫の判定に使用される。
本発明は、特に広いパーキング場で効果を生む。従来の電子デバイスを利用した駐車場では、広い面積を持つほど、入庫と出庫の判断のために用いられた発振器やカメラ或いは読み取り機のような設備が増加する傾向があったが、本発明により、駐車場に設置される管理設備が不要となり、そのような特別な設備を設置しなくとも入出庫を正しく判定することができるようになった。よって、従来の駐車場管理システムと比較して、設備コストやランニングコストを削減でき、メンテナンスに関わる維持運営が簡易化された。また、ユーザ側にとっても、特別な装置を車両に搭載することなく、ユ ーザの所持する携帯端末だけで駐車できるというメリットがある。
【0021】
また、入出庫を管理するめの専用ゲートが必ずしも必要でなくなった。つまり、範囲を示すデータで構成されているため、駐車場の広さや形に合わせて駐車場をカバーして駐車エリアに入った車両を、携帯通信端末のGPS情報を元にして漏れなく判定できるようになった。その意味では、駐車場管理サーバに格納されている複数個の緯度と経度のペアのそれぞれの地点は、駐車場形状の各頂点であることが望ましい。また、各駐車場の登録地点数に上限はないが、登録された地点でエリアを形成するには3地点以上が望ましい。
駐車場区画が非常に狭い場合は、複数個の緯度と経度のペアが同じ値をとり、エリアが面積を持たず線や点となることもあるが、その場合はエリア内地点の個数が少なくなるだけで、入出庫の判断に支障はない。
駐車場の形が単純な多角形でない場合は、管理しやすい形に区分して、区分されたそれぞれのエリアの場所情報データを一つの登録駐車場に紐付けして格納するのが望ましい。
【0022】
請求項3記載の発明においては、駐車場のオーナー又は権利者が、携帯通信端末を用いて駐車場管理サーバと交信して、駐車場サービスのアプリケーションの指示に従って、駐車場管理サーバに送った提供する駐車場を駐車場管理サーバに登録するものである。駐車場の権利者は、駐車場名と共にその登録リクエストをし、駐車場として提供する区画の場所からその駐車場の形状に合わせた緯度と経度のペアのGPS位置情報を駐車場の場所情報として送信する。駐車場の預託期間や駐車料金の設定、及び決済手段の取り決めなども同時に行われる。
駐車場管理サービスを運営する側にとっては、現地に出向かずに、駐車場の権利者と直接交渉することなく、且つコストをかけずに、管理する駐車場を増やせるというメリットがある。
また、駐車場のオーナー又は権利者にとっては、本発明の駐車場管理システムに登録することにより、駐車場の管理のための電子設備などの用意をすることなく、提供する駐車場に駐車場名の標識を設置する以外は、コストと手間をかけずに携帯通信端末だけを使って
登録から稼働まで簡易に行えるというメリットがある。
【0023】
さらに、登録後の駐車場の運営と決済は、契約した内容で駐車場管理サーバが代行するので、権利者の実務が無くなることも権利者にとってメリットである。
また、後日に登録駐車場の内容変更、一時停止、或いは抹消がある場合でも、駐車場の権利者が、携帯通信端末やパソコンで変更情報を送ることで、駐車場管理サーバの格納データが更新されて簡単に処理が完了するというメリットがある。
【0024】
請求項4記載の発明は、主に、GPS電波をキャッチできない駐車場に利用される。駐車場までの車両の通路上に、駐車場管理サーバが、GPS電波をキャッチできる場所を特定して仮想駐車場所と設定し、その仮想駐車場の場所情報を登録駐車場に紐付けして登録する。入庫のために仮想駐車場をユーザの携帯通信端末が通過したという情報が本来の駐車場への入庫判定に活かされる。出庫の場合も同様で、出庫のために仮想駐車場を携帯通信端末が通過して離別したという情報が出庫判定に活かされる。
【0025】
従来、駐車場内でGPS電波をキャッチできない駐車場の場合は、駐車した駐車場の確認と、駐車したことの確認のため、電波発信機や、読み取り装置やカメラシステムなどを駐車場内に取り付けることが必須であったが、本発明により、GPS電波をキャッチできない駐車場でもあって、駐車場にそのような装置を設置せずに管理することを可能となった。
【0026】
請求項4記載の発明は、GPS電波をキャッチできない駐車場ばかりでなく、入口が複雑なパーキング場に利用してもよい。パーキング場内に登録駐車場があった場合に、パーキング場の形状によっては、ユーザが指定した駐車場の位置情報をそのままユーザの携帯通信端末のナビゲーションシステムに送信するのは賢明ではないことがある。ユーザの携帯通信端末が、ユーザが指定した駐車場を目指してパーキング場の入口と反対側のルートをナビゲーションすることもあるからである。また、複数入口がある駐車場では、どの入口を通るのがベストなのかを駐車場管理サーバが計算して、ベストな入口の情報を携帯通信端末に送信するができる。パーキングの入口の位置情報をユーザに送信することで、ユーザは携帯通信端末のナビゲーションシステムを使ってパーキング場の入口に到着する。このように、パーキング場の入口を登録駐車場の仮想駐車場として紐付けして格納することによって、ユーザが最善のルートを通って選定した駐車場に辿り着けるように、アシストができるというメリットがある。
【0027】
請求項5記載の発明においては、駐車場管理サーバは、ユーザからの近隣の空き駐車場の情報を得て、格納されている駐車場の利用状態と照合して、格納されているデータの妥当性を確認して、必要があれば更新している。つまり、ユーザからの回答と、格納されている駐車場の状態がマッチしなかった場合は、異常として判断され、利用不可能な駐車場と修正され、駐車場利用状況データが更新される。ユーザへ紹介される空き駐車場は、現地でチェックされた情報も反映されるので、より堅実でトラブルの少ない駐車場管理が行えるというメリットがある。
【0028】
異常のあった駐車場については、駐車場の管理者によって、適正な処理が行われる。例えば、違法駐車の摘発も可能となる。異常な駐車の判断はユーザの情報提供直後に瞬時に行なわれるので、その場にいるユーザに、車両の写真やナンバープレートなどの追加の情報の送信を依頼することで、違法駐車に関する情報収集を行うことができる。調査員や警備員の派遣無しで、違法駐車に関する情報収集を迅速に行えるという利点がある。
以上のようなユーザの協力は、実際は、ユーザに駐車ポイントなどのクーポンを代価として与えながらの収集となるだろうが、ユーザの協力を得ることで、高価な無線機能付きの防犯カメラなどの設置が不要となっている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の駐車場管理システム全体のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明のネットワークを介してユーザの携帯通信端末と駐車場管理サーバ間で実行される入庫から出庫までの処理フローチャートの一例である。
【図3】本発明の駐車場を提供する権利者の駐車場登録プロセスのフローチャートの一例である。
【図4】本発明のユーザの会員登録プロセスのフローチャートの一例である。
【図5】ユーザの携帯通信端末の位置情報の内容を示す図である
【図6】本発明の登録駐車場の場所情報の内容の一例である。
【図7】本発明の実施形態に関わる駐車場の平面図である。
【図8】本発明の実施形態に関わる駐車場の平面図である。
【図9】本発明の実施形態に関わる駐車場の平面図である。
【図10】本発明の実施形態に関わる駐車場の立面図である。
【図11】本発明の実施形態の駐車場へ経路例に関わる平面図である。
【図12】本発明に関わるユーザの携帯通信端末に表示された画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に関わる駐車場管理システム全体のハードウェア構成を示すブロック図の一例である。駐車場管理サーバ1は、制御部、メモリ部、計時を行うタイマ、外部の装置と通信を行うためのインタフェースである通信部、出力部と、入力部と、及び各種の記憶部を備えている。
記憶部には、駐車場データベース、ユーザデータベース、利用状況データベースなどがある。これらの記録部の記録媒体は、サーバに内蔵されていなくとも、外部取り付け、或いはインターネットで繋がった他のクラウドサーバであっても良い。
通信部は、WAN、LAN、Wi−Fi等の通信技術を介して有線・無線で交信を行い、ユーザが持つ携帯通信端末2、駐車場管理者の携帯通信端末3、決済システム5、及び金融機関6などとインターネット4で通信を行う。
【0031】
駐車場管理サーバ1が提供する駐車場サービスのアプリケーションが、通信部を介してユーザが持つ携帯通信端末2、駐車場権利者の携帯通信端末3にダウンロードされてオンラインサービスが行われる。
駐車場管理サーバ1が、駐車場権利者が定めて登録した駐車場料金レートとユーザの携帯通信端末の情報から判明した駐車時間から駐車料金を計算し、決済システム5を介して、ユーザの携帯通信端末2に課金連絡が行われる。その後、ユーザによって、決済システム5を介して金融機関6に支払いが行なわれ、手数料分が駐車場管理サービスの口座に、残りが駐車場権利者の口座に振り替えされる。決済システム5は、必ずしも独立の機関である必要はなく、駐車場管理サーバ1や金融機関6に組み込まれていてもよい。
【0032】
ユーザの携帯通信端末2は、入力部や表示部とともに、コマンドやデータの処理を行う制御部とメモリ部、それに外部の装置と通信を行うためのインタフェースである通信部を備えて、通信部を介して無線で交信を行うことができ、駐車場管理サーバ1、決済システム5、及び金融機関6などとインターネット4で通信を行う。駐車管理サービスのアプリケーションプログラムは、インターネット4を介して駐車場管理サーバからダウンロードされて、記憶部に格納されている。
ユーザの携帯通信端末2のGPS受信部は、複数のGPS衛星からGPS信号を受信し、GPS受信部の地球上における位置を制御部とメモリ部で解析し、その情報がインターネット4を介して、駐車場管理サーバ1に送られる。
一方、駐車場の権利者の携帯通信端末3も、前記のユーザの携帯通信端末と同様の機能を持っている。
【0033】
図2は、実施形態に関る駐車場の入庫から出庫までの、ネットワークを介して携帯通信端末と駐車場管理サーバの間で実行される処理フローチャートの例である。左側がユーザの操作が行われる携帯通信端末のアクションを示し、右側が駐車場管理サーバのアクションを示している。
駐車を行おうとするユーザは、あらかじめインストールしてある携帯通信端末の駐車場サービスのアプリケーションを立上げて、ログインを行い、駐車リクエストを行う。駐車場管理サーバは、ユーザのログインに続いて、ユーザから駐車リクエストを受信する。続いて、携帯通信端末のGPS位置情報の受信が開始される。携帯通信端末の位置情報は、携帯通信端末のGPS受信部が受信したGPS信号に基づき、GPS受信部の現在位置を経度と緯度の座標値である。
携帯通信端末のこれらのシーケンスは、携帯通信端末にインストールされたアプリケーションプログラムによって制御されている。
【0034】
駐車場管理サーバは、ユーザの希望する地域と日時及び車両サイズの情報を、格納されている駐車場利用状況データベースと照らし合わせて、ユーザの希望に最適な駐車可能駐車場を検索して、候補駐車場をユーザに送信して提示する。ユーザは画面上で候補駐車場の料金レートや場所などの詳細情報を参照しながら、目的に合った駐車場を選択指定して、駐車場管理サーバに送信する。
【0035】
次に、駐車場管理サーバから、ユーザが指定した駐車場の場所情報が送信され、駐車場の位置までユーザの携帯通信端末画面でナビゲーション行われる。
駐車場管理サーバは、携帯通信端末のGPS位置情報を受信し、その位置がリクエストされた駐車場の場所情報と合致した時に、「入庫」と判断して、駐車時間の計時が開始する。
【0036】
一方、出庫時は、ユーザが、携帯通信端末画面上で出庫リクエストを行う。出庫リクエストを受信した駐車場管理サーバは、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報を追跡し、駐車場の場所情報から離脱している状況を確認した時を出庫とし、計時を終了する。その後、駐車場管理サーバは、携帯通信端末に、駐車時間と課金情報の送信を行う。ユーザ側では、時間と料金を確認して、駐車場アプリケーションを閉じる。
駐車時間と課金状況については、出庫後だけに限らず、駐車中であっても、途中経過情報として携帯情報端末に逐次送信してもよい。
【0037】
図3は、駐車場を提供する駐車場の権利者が、駐車場を登録する時のプロセスフローの例を示したものである。駐車場のオーナーなどの駐車場の権利者は、駐車場サービスのアプリケーションをインストールした後、「新規駐車場の登録」をクリックして、登録画面を開いて、クライアントIDや暗証番号などを入力した後、駐車場情報の入力を行う。
駐車場管理サーバに登録される駐車場情報は、駐車場名、駐車場場所、提供期間、徴収料金、駐車場の権利者情報、及び、決済情報などである。駐車場場所は、駐車場サービスのアプリケーションの指示に従って、権利者が提供区画の場所から駐車場管理サーバに送った携帯通信端末のGPS位置情報である。
最後に、権利者が契約内容の確認を行って登録を完了する。以後、駐車場管理サーバが、新規登録された駐車場を稼働させる。
また、運用が始まった後でも、駐車場の権利者が携帯通信端末を介して、提供期間や料金などの契約内容の変更をすることは随時可能である。
【0038】
図4はユーザ登録のプロセスフローの例を示したものである。ユーザは、携帯通信端末に
駐車場サービスのアプリケーションをインストールした後、登録画面で、ユーザIDや暗証番号を入力し、さらに決済情報の入力を行う。一旦、アプリケーションのダウンロードとユーザ登録を行えば、その後ユーザは、携帯情報端末で簡易に駐車場サービスを利用できるようになる。
【0039】
図5は、携帯通信端末の位置情報の内容について説明したものである。携帯通信端末のGPS受信部が衛星から受信したGPS電波に基づいて得たGPS受信部の位置が、時刻毎に経度と緯度で示されている。図2の例では、駐車場管理サーバが駐車リクエストを受信した時から、携帯端末の位置情報の受信が開始されている。
【0040】
図6は、駐車場管理サーバに格納されている駐車場の場所情報の内容例を示した表である。図6の例では、駐車場管理サーバの記憶部に格納されている各登録駐車場の緯度と経度の座標を持つ登録地点が4ヵ所ある。それらの点で囲まれた形状のエリアが実質の駐車場の場所情報となる。各駐車場の登録地点数に上限はないが、登録された地点でエリアを形成するには3地点以上が必要である。地点の座標が離れているほど、広い駐車場であることを意味している。
【0041】
面積が狭い駐車場の場合は、登録地点の緯度と経度の値が同じになることもありうる。そのような状態では、登録地点で形成される形状が実際の形と異なったり、線や点になったりすることもありうるが、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報の値とのマッチング判断は可能である。また、GPSの精度を考慮して、実際の区画より少し広めの位置でGPS位置情報を取得して場所情報とすることなどは本発明の趣旨を逸脱するものではない。
【実施例】
【0042】
以下、本発明の実施例について、図に基づいて説明する。
図7は、本発明の駐車場管理システムの運用における駐車場を例示したものである。車両1台分の駐車区画が登録駐車場7であり、GPS位置登録点72の緯度と経度で表された場所情報が、駐車場管理サーバの登録駐車場に紐付けされて格納されている。
ユーザは、駐車場アプリケーションにログインして、図2に代表されるプロセスで選定した駐車場までナビゲーションで誘導されて、指定の駐車場名標識を見つけて駐車を行う。駐車場管理サーバが、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報である緯度と経度の値が、ユーザ指定の駐車場の場所情報とマッチングした場合に、車両の入庫時刻とし、駐車時間の計測が開始する。同時にユーザの携帯通信端末に、入庫確認の送信が行われる。
【0043】
ユーザが予め空いている駐車場に到着して、その位置から駐車場アプリケーションにログインして、図2に代表されるプロセスで、到着した駐車場を選択した場合は、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報である緯度と経度の値とユーザ指定の駐車場の場所情報とがマッチしているので、入庫と判断されて直ちに駐車時間の計測が開始される。
場図7の登録駐車場の場所情報は、1点の情報であるが、GPSの精度を考慮して、所定の範囲でその地点を囲う他の緯度と経度で構成された点も含めて、携帯通信端末のGPS位置情報とのマッチングを行うのが望ましい。
【0044】
また、出庫の際は、駐車場管理サーバが、ユーザから出庫リクエストを受信し、後にユーザの携帯通信端末が駐車場から離脱している状況が確認された時点で出庫と認識される。
【0045】
図8は、本発明の駐車場管理システムの運用における駐車場を例示したもので、
登録駐車場7は、4ヵ所のコーナーの緯度と経度で表されたGPS位置情報のセットが場所情報として、駐車場管理サーバに、紐付けされて格納されている。
駐車場管理サーバが、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報である緯度と経度の値が、ユーザが指定した駐車場の場所情報で形成される長方形のエリアにかかっていると判定し
た場合に、車両の入庫時刻とされて、駐車時間の計測が開始される。同時にユーザの携帯通信端末に、計測開始の送信が行われる。
また、出庫の際は、駐車場管理サーバが、ユーザから出庫リクエストを受信し、後にユーザの携帯通信端末が駐車場から離脱している状況が確認された時点で出庫と認識される。
【0046】
図9は、本発明の駐車場管理システムの運用における駐車場を例示したもので、
登録駐車場7は、複数の車両が駐車できる駐車場であり、4ヵ所のコーナーのGPS位置登録点72の緯度と経度で表された場所情報が、駐車場管理サーバに紐付けされて格納されている。
駐車場管理サーバが、ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報である緯度と経度の値が、指定の駐車場の4ヵ所のGPS位置登録点で形成される形状のエリアにかかっていると判定した場合に、車両の入庫時刻とされて、駐車時間の計測が開始される。同時にユーザの携帯通信端末に、計測開始の送信が行われる。
また、出庫の際は、駐車場管理サーバが、ユーザから出庫リクエストを受信し、後にユーザの携帯通信端末が駐車場から離脱している状況が確認された時点で出庫と認識される。
【0047】
ユーザの携帯通信端末のGPS位置情報が、指定された駐車場のエリアにかかっているかを判断するために、駐車場管理サーバが計算を行うアルゴリズムは、適切なものにする必要があるが、例えば次のようなものが望ましい。ユーザが指定した駐車場の位置情報が4地点の場合を例にすると、それぞれの緯度と経度の座標を(X1, Y1)、(X2, Y2)、(X3, Y3)、(X4, Y4)で、携帯通信端末のGPS位置情報が(X0, Y0)とする。最初にエリアを形成する緯度と経度の最大値と最小値を求める。次に、携帯通信端末の緯度X0が4地点のX成分の最小値と最大値の間に、経度Y0が4地点のY成分の最小値と最大値の間にあれば、エリアにかかっている可能性があるので、次へ進む。次に対角を結んだ直線を除いた4点を通る4本の直線関係式を用意して、各直線関係式に、携帯通信端末の緯度値のX0を代入してYの値を求める。求めたYの値から携帯通信端末の経度値のY0を引いて、それらが正の値か負の値かを見て、地点(X0, Y0)がエリアに入っていると判定した場合、次の直線に対して同様の計算を行ってエリア内なら、また、次の直線について同様の計算を行う。このようにして最後の直線もエリア内なら、エリア内に入っていると判断される。
【0048】
図9では、収納台数7台の駐車場となっているが、本発明に収納可能台数の制限はない。また、GPS位置登録点が4ヵ所の図であるが、登録点の数にも制限はない。
駐車場管理サーバは、常に登録駐車場7内の車両数を管理しており、その数は、随時、図1の駐車場利用状況データベースに格納されており、駐車場データベース記録部に格納されている最大収納台数と照会されている。満車時は、ユーザに候補駐車場として紹介されなくなる。
また、駐車場7の形状が複雑な形状であれば、エリア形状をシンプルないくつかの区画に分割して、複数のエリアに分けた場所情報を登録するのが望ましい。この場合、駐車場管理サーバには、一つの駐車場IDに、複数のエリアを持つ場所情報が紐付けされて登録される。
【0049】
図10は、本発明の駐車場管理システムの運用における駐車場を例示したもので、登録駐車場7でGPS電波をキャッチできない立体駐車場の立面図である。この例では、駐車場の建屋に入る直前の通路上に、GPS電波をキャッチできる仮想駐車場73が設定されてある。仮想駐車場所の複数個の緯度と経度のペアで構成された場所情報が、駐車場7の場所情報として、駐車場管理サーバに格納されている。
ユーザが指定した駐車場7への入庫判断は、駐車場管理サーバが、ユーザの携帯通信端末から送られてくるGPS位置情報と仮想駐車場73の場所情報で作られる形状と照合して行なわれる。
また、出庫の際は、駐車場管理サーバが、ユーザから出庫リクエストを受信し、後にユーザの携帯通信端末が仮想駐車場73から離脱している状況が確認された時点で出庫と認識される。
【0050】
図11は、仮想駐車場73の他の利用例を示したものである。駐車場管理サーバには、登録駐車場7の経緯度で表された場所情報以外に、パーキング場の入口が仮想駐車場73とされて、その経緯度の場所情報が各登録駐車場7に紐付けされて格納されている。
駐車場管理サーバは、パーキング場から離れた位置にいるユーザに、ユーザが指定した駐車場の位置情報ではなく、入口の位置情報をユーザの携帯通信端末のナビゲーションシステム送っている。ユーザが指定した駐車場の位置情報を送ったのでは、ユーザの携帯通信端末のナビゲーションが入口に面してない方の道を選択するため、ユーザが入口に到着するのが難しくなるからである。予め、入口の情報を送信するように駐車場の登録時に設定してもよいし、駐車場管理サーバが経路をシミレートして、入口情報を送ることを駐車場管理サーバに選択させてもよい。
ユーザがパーキング場の入口に到着した時に、駐車場管理サーバからユーザの携帯通信端末に、ユーザが指定した駐車場の場所情報が送られるのが望ましい。
【0051】
図12は、ユーザが駐車した直後にユーザの携帯通信端末に見る画面の一例である。駐車場管理サーバが、駐車している駐車場の周辺の空き状況をチェックするために、ユーザに送信したものである。
駐車した駐車場の周辺の駐車場に「空」「満」のクリックボタンが表示されてある。この表示例では、「空」は空きスペース、「満」は入庫状態を示していて、ユーザがそれらの駐車場を観察してクリック入力する。ユーザは、アンケートに回答することで、ボーナスポイントなどの特典が付与される。
【0052】
駐車場管理サーバ側では、ユーザからの情報と駐車場管理サーバの駐状況データとの整合性を確認し、万が一、ユーザからの回答と、格納されている駐車場の状態がマッチしなかった場合は、異常として判断され、一時的に利用不可能な駐車場と修正され、駐車場利用状況データが更新される。
電子的に照合されるので、異常があればほぼ瞬時に判明するので、さらにユーザに、追加ボーナスポイントを付与して、違法駐車車両の写真やナンバープレートなど追加情報を依頼して、電子データとして送信してもらうこともできる。このようにユーザの協力を得ることで、違法駐車を早く認知して違法駐車の取り締まりが行われる。
【符号の説明】
【0053】
1 駐車場管理サーバ
2 ユーザの携帯通信端末
3 駐車場権利者の携帯通信端末
4 インターネット
5 決済システム
6 金融機関
7 登録駐車場
71 駐車場名標識
72 GPS位置登録点
73 仮想駐車場
74 立札
75 パーキング場
8 車両
9 GPS電波
10 道路
【図1】
図1 
【図2】
図2 
【図3】
図3 
【図4】
図4 
【図5】
図5 
【図6】
図6 
【図7】
図7 
【図8】
図8 
【図9】
図9 
【図10】
図10 
【図11】
図11 
【図12】
図12 
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