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スポーツ・娯楽
 
【発明の名称】サーフボード
【国際特許分類】
B63B 32/40 (2020.01)
B63B 32/73 (2020.01)
【FI】
B63B 32/40         
B63B 32/73         
【早期審査対象出願】
【特許権者】
【識別番号】524375219
【氏名又は名称】清水 高義
【住所又は居所】山梨県南都留郡富士河口湖町小立3649-7
【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
【発明者】
【氏名】清水 高義
【住所又は居所】山梨県南都留郡富士河口湖町小立3649-7
【要約】
【課題】ボード上に座り、取っ手をつかみ、座った状態で両足を踏ん張りながら、バランスをとって波乗りを行うのに適したサーフボードを提供する。
【解決手段】水上において前方に進むことができるボード本体10と、ボード本体10の後部上に設けられ、使用者Uが座ることのできる座部20と、座部20より前方においてボード本体10上に設けられ、使用者Uが掴むことのできる取っ手部30と、取っ手部30よりも後方において、左右方向に関し座部20の左右に設けられ、座部20に座った使用者Uが、膝U1を曲げた状態で足裏U2を置くことのできる足置き部40とを備えている。
【選択図】図1
選択図 
全く新しいコンセプトの
サーフボードとボードフィン (Y形ボードフィン)


サーフボード本体の特許番号:7668472
Y形ボードフィンの実用新案番号: 3250491


・横波をものともせず荒波にもめっぽう強いサーフボード
・確実なテイクオフと波乗り
・座りながらにして優雅な走行も楽しめる


製造・販売にご興味のある方連絡をください ! ご相談に応じます。
連絡先 tkys-shi2501@nifty.com
サーフボード本体の取手部の構造アイデアもご相談に応じます。
サーフボードPF2 
サーフボードPF3 
サーフボードPF4 
サーフボードPF5 
サーフボードPF6 
サーフボードPF7 
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水上において前方に進むことができるボード本体(10)と、
このボード本体(10)の後部上に設けられ、使用者(U)が座ることのできる座部(20)と、
この座部(20)より前方においてボード本体(10)上に設けられ、使用者(U)が掴むことのできる取っ手部(30)と、
この取っ手部(30)よりも後方において、左右方向に関し前記座部(20)の左右に設けられ、当該座部(20)に座った使用者(U)が、膝(U1)を曲げた状態で足裏(U2)を置くことのできる足置き部(40)と、を備え、平面視で、前記ボード本体(10)は、進行方向先端部(11)から後方左右に向かって広がり、左右方向最大幅部(12)に達するボード前部(10F)と、このボード前部(10F)から後方に向かって延びるボード後部(10R)とを有し、前記ボード後部(10R)上に、前記使用者(U)が座ることのできる座部(20)が設けられ、前記取っ手部(30)は、前後方向に関し、前記左右方向最大幅部(12)と同じ位置に設けられていることを特徴とするサーフボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーフボードに関するものである。より詳しくは、ボード上に座り、取っ手をつかみ、座った状態で両足を踏ん張りながら、バランスをとって波乗りを行うのに適したサーフボードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1〜5に見られるような技術が知られている。
【0003】
<特許文献1>特開昭48-091797号公報
特許文献1には、
滑走板1の後部上に設けられ、使用者(搭乗者)が座ることのできる座部2と、
この座部2より前方において滑走板1上に設けられ、使用者が掴むことのできる取手3と、
座部2に座った使用者が、取手3よりも前方において、足を置くことのできる足場7と、
を備えた水上滑走板が記載されている。
【0004】
同文献第1頁下右欄第5〜9行には、
「このため本発明の水上滑走板によれば塔乗者は滑走板上部の足場に足を乗せ、座った形で側部の取手を握り、滑走板による軽快な水上の滑走が可能となり、このままの形で発進が可能であり、場合によっては寝そべった形で発進し、安定してから取手を握ったまま足を前方に出し、座った形で滑走を行うこともできる。」
と記載されている。
【0005】
しかし、この水上滑走板は、足場7が取手3よりも前方に設けられているため、座部2に座った使用者が、座った状態で両足を踏ん張りながら、滑走板の左右のバランスを取ることは困難である。
【0006】
<特許文献2>特開昭48-100898号公報
特許文献2には、
滑走板1の後部上に設けられ、使用者(搭乗者)が座ることのできる座部2と、
この座部2より前方において滑走板1上に設けられ、使用者が掴むことのできる取手3と、
座部2に座った使用者が、取手3よりも前方において、足を置くことのできる足場7(第11図参照)と、
を備えた水上滑走板が記載されている。
【0007】
同文献第2頁上左欄第19行〜同頁上右欄第6行には、
「上述の本発明の水上滑走板によれば、搭乗者は滑走板上に設けられた座部に座し、前部に設けられた取手(ハンドル)あるいはグリップを握り、足場に足を乗せ、座った形(あるいは場合によっては立った形)で水面を軽快に滑走することが可能となり、かつ一般に操舵も自由に行え、如何なる場所より発進することもでき、モーターボートにけん引されたり、モーターボート等の推進機を有する乗物に頼らず波の力を利用して自走するサーフボード等のように波乗りをサーフボードより容易かつ自由に行うことができる。」
と記載されている。
【0008】
しかし、この水上滑走板は、足場7が取手3よりも前方に設けられているため(第4図参照)、座部2に座った使用者が、座った状態で両足を踏ん張りながら、滑走板の左右のバランスを取ることは困難である。
【0009】
<特許文献3>実開昭60-195074号全文明細書
特許文献3には、手持部2を有する小型軽量ボートが記載されている。
【0010】
しかし、この小型軽量ボートは、使用者が座るための座部を有していない。
【0011】
<特許文献4>実開昭63-088362号全文明細書
特許文献4には、
「水上に浮かぶボード本体(1)に取付けてある推進装置(7)により前方に進み、方向転換には手綱(6)につかまり、体全体のバランスと体重移動を必要とするスポーツ用品」
が記載されている(同文献要2.実用新案登録請求の範囲の欄)。
また、同文献第4頁「(f)他の実施例」の欄には、
「(イ)第4図の様にボート本体につかまり水上に体を浮かべている状態でも進むことができる。
(ロ)手綱(3)のかわりにハンドルを取付ける事もできる。
(ハ)乗っている人が座るイスを取付ける事もできる。」
と記載されている。
【0012】
しかし、同文献には、ハンドルとイスとの位置関係についての記載はない。
【0013】
<特許文献5>実開昭63-200473号全文明細書
特許文献5には、把手3,3を有するサーフボードが記載されている。
【0014】
しかし、このサーフボードは、使用者が座るための座部を有しておらず、座部に座った使用者が膝を曲げた状態で足裏を置くことのできる足置き部も有していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】 特開昭48-091797号公報
【特許文献2】 特開昭48-100898号公報
【特許文献3】 実開昭60-195074号 全文明細書
【特許文献4】 実開昭63-088362号 全文明細書
【特許文献5】 実開昭63-200473号 全文明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明が解決しようとする課題は、ボード上に座り、取っ手をつかみ、座った状態で両足を踏ん張りながら、バランスをとって波乗りを行うことを可能にしたサーフボードを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記課題を解決するために本発明のサーフボードは、
水上において前方に進むことができるボード本体と、
このボード本体の後部上に設けられ、使用者が座ることのできる座部と、
この座部より前方においてボード本体上に設けられ、使用者が掴むことのできる取っ手部と、
この取っ手部よりも後方において、左右方向に関し前記座部の左右に設けられ、当該座部に座った使用者が、膝を曲げた状態で足裏を置くことのできる足置き部と、
を備えたことを特徴とする。
【0018】
上記の構成となっているので、このサーフボードによれば次のような作用効果が得られる。
水上において、使用者は、ボード本体の後部上に設けられた座部に座り、この座部より前方においてボード本体上に設けられた取っ手部を掴み、この取っ手部よりも後方において左右方向に関し前記座部の左右に設けられた足置き部に膝を曲げた状態で足裏を置いた姿勢を取ることができ、この状態で足を踏ん張りながら取っ手部を操作することで、サーフボード全体のバランスを取りながら進むことができる。
したがって、本発明のサーフボードによれば、ボード上に座り、取っ手部をつかみ、座った状態で両足を踏ん張りながら、バランスをとって波乗りを行うことができる。
【0019】
このサーフボードにおいては、
平面視で、前記ボード本体は、進行方向先端部から後方左右に向かって広がり、左右方向最大幅部に達するボード前部と、このボード前部から後方に向かって延びるボード後部とを有し、
前記ボード後部上に、前記使用者が座ることのできる座部が設けられている構成とすることができる。
【0020】
このように構成すると、ボード前部の形状によって前進しやすくなるとともに、ボード後部上に使用者が座ることのできる座部が設けられることによって、サーフボード全体のバランスを取りやすくなる。
【0021】
このサーフボードにおいては、
前記取っ手部は、前後方向に関し、前記左右方向最大幅部と同じ位置に設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、サーフボードの左右方向に関するモーメントが左右方向最大幅部に生じやすくなり、そのモーメントを、取っ手部が前後方向に関し前記左右方向最大幅部と同じ位置に設けられていることによって、押さえ込みやすくなる。
結果として、サーフボード全体のバランスを取りやすくなる。
【0022】
このサーフボードにおいては、
平面視で、サーフボード全体の浮力の中心が、前記座部とオーバーラップする位置にある構成とすることができる。
このように構成すると、サーフボード全体の浮力の中心が、使用者の体重がかかる座部と近くなることから、サーフボード全体のバランスを取りやすくなる。
【0023】
このサーフボードにおいては、
平面視で、前記座部は、ボード本体の左右方向中心部において上方に肉厚となる肉厚部として構成され、左右方向に関しこの肉厚部の左右に前記足置き部が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、座部が肉厚部であることから、浮力の中心を座部とオーバーラップする位置に設けやすくなるとともに、足置き部に置かれた足を座部で支えやすくなる。
【0024】
このサーフボードにおいては、
前記座部は、前方に向かって凸状となる前部を有し、この前部の左右に前記足置き部が設けられている構成とすることができる。
このように構成すると、座部の前部が前方に向かって凸状となっていることによって、前部の左右に設けられる足置き部の(すなわち置かれる足の)自由度が高まる。
【0025】
このサーフボードにおいては、
背面視で、前記座部は、上方に向かって凸状に湾曲する上部を有している構成とすることができる。
このように構成すると、座部に座る使用者の尻の座部に対するフィット感が高まり、座部に対する使用者の尻の位置が安定するため、サーフボード全体のバランスを取りやすくなる。
【0026】
このサーフボードにおいては、
前記ボード後部の下部にはフィンが設けられ、このフィンは、
背面視で、ボード後部から下方に垂下される垂下板と、この垂下板の下部から左右下方に向かって延びる傾斜板とを有する、逆Y字形のフィンである構成とすることができる。
このように構成すると、サーフボードの左右方向の揺れに対する効力が、垂下板と、左右の傾斜板とによって得られるので、サーフボードの左右方向の揺れに対するバランスを取りやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明に係るサーフボードの実施の形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は(a)の正面図で、ボード後方から見た図、(c)は(a)の右側面図、(d)は(a)の平面図、(e)は図(a)のe−e断面図、(g)は(a)のg−g断面図。
【図2】同上実施の形態の底面図。
【図3】(a)(b)(c)は使用例の説明図。
【図4】(a)(b)は使用例の説明図。
【図5】各部の寸法を説明するための図。
【図6】変形例の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係るサーフボードの実施の形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、同一部分ないし相当する部分には、同一の符号を付してある。
【0029】
図1に示す本発明の実施の形態のサーフボード1は、
水上において前方に進むことができるボード本体10と、
このボード本体10の後部上に設けられ、使用者U(図3(b)参照)が座ることのできる座部20と、
この座部20より前方(図1(a)(c)の矢印F方向)においてボード本体10上に設けられ、使用者Uが掴むことのできる取っ手部30と、
この取っ手部30よりも後方において、左右方向(図1(a)において左右方向)に関し座部20の左右に設けられ、当該座部20に座った使用者Uが、膝U1(図3(b)参照)を曲げた状態で足裏U2を置くことのできる足置き部40(L,R)と、
を備えている。
【0030】
上記の構成となっているので、このサーフボード1によれば次のような作用効果が得られる。
【0031】
例えば図3(b)に示す様に、水上(主として海上であり水面(海面)を符号Sで示す)において、使用者(主としてサーファー)Uは、ボード本体10の後部上に設けられた座部20に座り、この座部20より前方においてボード本体10上に設けられた取っ手部30を掴み、この取っ手部30よりも後方において左右方向に関し座部20の左右に設けられた足置き部40に膝U1を曲げた状態で足裏U2を置いた姿勢を取ることができ、この状態で足(U2)を踏ん張りながら取っ手部30を操作することで、サーフボード全体のバランスを取りながら進むことができる。
【0032】
したがって、このサーフボード1によれば、ボード上に座り、取っ手部30をつかみ、座った状態で両足を踏ん張りながら、バランスをとって波乗りを行うことができる。
【0033】
このサーフボード1は、通常、例えば次のようにして使用することができる。
【0034】
図3(a)に示すように、使用者Uは、海上において、良い波が来る所定の位置に来たら、サーフボード1の後部上に上半身(腹部)を載せ、腰から下を海中に入れ、両手U4で取っ手部30をつかみ、クロール泳法のバタ足(U2)で推進力を得る。
【0035】
波と共に十分な推進力を得たら、取っ手部30を握った手でサーフボード1を強く引き寄せ、図3(b)に示すように、体をサーフボード1の所定の位置に載せ、上述した体勢を取って、波乗りを楽しむことができる。
【0036】
この際、上述したように、使用者Uは、ボード本体10の後部上に設けられた座部20に座り、この座部20より前方においてボード本体10上に設けられた取っ手部30を掴み、この取っ手部30よりも後方において左右方向に関し座部20の左右に設けられた足置き部40に膝U1を曲げた状態で足裏U2を置いた姿勢を取ることができ、この状態で足(U2)を踏ん張りながら取っ手部30を操作することで、サーフボード全体のバランスを取りながら波乗りを楽しむことができる。
【0037】
既存のサーフボードにおいてはサーファーがパドリング態勢からテイクオフを試みる際に、いとも簡単にバランスを崩して海中に放り出されたり、大波・小波に揺れるサーフボード上で、前後左右の体重移動をする際にも、バランスを崩して海中に放り出されてしまうケースが多いのが実情である。
これに対し、本発明のサーフボードはこれらの実情を改善すべく、ボード上に座り、取手をつかみ、座った状態で両足を踏ん張りながら、バランスをとって波乗りを行うという、既存のサーフボードとは全くコンセプトの違うサーフボードである。
【0038】
必要があれば、図3(c)に示すように、足をサーフボード1の前部に投げ出し、体勢を低くして体を左右に傾けたり、同時に体を捻ったりしてサーフボード1のバランスを取りながら波乗りを楽しむことができる。
【0039】
さらに、安定した走行を得られたら、良いタイミングを見計らって、図4(a)に示すように、サーフボード1上に立ち、立ち位置での波乗りを楽しむこともできる。
なお、バランスを崩しそうになった時は、直ぐにしゃがんで手で取っ手部30を掴み、前述の安定した体勢を取って走行を続けることができる。
図4(b)の使用例については後述する。
【0040】
図1(a)に示すように、平面視で、ボード本体10は、進行方向先端部11から後方左右に向かって広がり、左右方向最大幅部12(一点鎖線部参照)に達するボード前部10Fと、このボード前部10Fから後方に向かって延びるボード後部10Rとを有し、
ボード後部10R上に、使用者Uが座ることのできる前記座部20が設けられている。
【0041】
このように構成すると、ボード前部10Fの形状によって前進しやすくなるとともに、ボード後部10R上に使用者Uが座ることのできる座部20が設けられることによって、サーフボード1全体のバランスを取りやすくなる。
【0042】
取っ手部30は、前後方向に関し、前記左右方向最大幅部12の位置と同じ位置に設けられている。
【0043】
このように構成すると、サーフボードの左右方向に関するモーメント(図1(b)矢印R1,R2参照)が左右方向最大幅部12に生じやすくなり、そのモーメントを、取っ手部30が前後方向に関し前記左右方向最大幅部12と同じ位置に設けられていることによって、押さえ込みやすくなる。
結果として、サーフボード1全体のバランスを取りやすくなる。
したがって、ここで「同じ位置」というのは、左右方向最大幅部12に生じる左右方向モーメントを押さえ込むことが容易ではなくなる程度にはずれていないという意味である。 より具体的には、左右方向最大幅部12の前後方向それぞれ10cm程度の範囲内の位置である。
【0044】
また、この取手部30はサーフボード1に発生する揚力の中心Bにも近くなる位置に設置されている。このように構成すると、サーフボード1の左右方向に最大モーメントが最大幅部に生じた時、サーファーが取手部30に体重移動をすれば、その最大モーメントを効率よく押さえ込みやすくなる。その結果サーフボード全体のバランスが取りやすくなる。
【0045】
図1(a)に示すように、このサーフボード1は、平面視で、サーフボード1全体の浮力の中心Bが、座部20とオーバーラップする位置にある。
【0046】
このように構成すると、サーフボード全体の浮力の中心Bが、使用者Uの体重がかかる座部20と近くなることから、サーフボード全体のバランスを取りやすくなる。
【0047】
より詳しく説明すると、サーフボードの浮力の中心(サーフボードの体積の中心)Bが、サーファーの体重がかかる座部20の位置とオーバーラップするように設計されている。
このように構成するとサーファーの体重がサーフボード全体に平均に分散され、よってサーフボード全体のバランスを取る事を容易にする事ができる。
【0048】
なお、サーフボード全体の浮力の中心(サーフボードの体積の中心)Bが、サーファーの体重がかかる座部20の前方に来るようにするには、座部20の体積調整を座部20、および肉厚部24の厚みにて調整することができる。このことによりサーフボード全体のバランスを取りやすくすることができる。
【0049】
このサーフボード1では、通常の使用時における速度は、従来公知のサーフボードに比べて非常に遅く、1m/s〜3m/s程度(時速4km/h〜12km/h程度)であると想定されている。したがって、水(海水)から受ける揚力も従来公知のサーフボードに比べて小さく、図1(a)に示すように揚力の中心位置Dは平面視でサーフボード1の取手位置の少し後方になる。揚力の中心位置Dが平面視でサーフボード1の取手位置の近くにあることによって、サーブボードの操作を行いやすくなる。
そこでこの実施の形態では、揚力の中心位置(推測位置)Dにマーキング(例えば黒丸)を付すことによって、使用者の参考に供する。
【0050】
座部20は、平面視でボード本体10の左右方向中心部において、上方(図1(b)(c)において矢印UP方向)に肉厚となる肉厚部(20)として構成され、左右方向に関しこの肉厚部(20)の左右に前記足置き部40(L,R)が設けられている。
【0051】
このように構成すると、座部20が肉厚部であることから、浮力の中心Bを座部20とオーバーラップする位置に設けやすくなるとともに、足置き部40(L,R)に置かれた足を座部20で支えやすくなる(図3(b)参照)。また、例えば両足で座部20を左右から挟むようにすることも可能である。
【0052】
座部20は、前方に向かって凸状となる前部21を有し、この前部21の左右に前記足置き部40(L,R)が設けられている。
【0053】
このように構成すると、座部20の前部21が前方に向かって凸状となっていることによって、前部21の左右に設けられる足置き部40の(すなわち置かれる足の)自由度を高めることができる。
【0054】
図1(b)に示すように、背面視で、座部20は、上方に向かって凸状に湾曲する上部22を有している。
【0055】
このように構成すると、座部20に座る使用者Uの尻の座部20に対するフィット感が高まり、座部20に対する使用者Uの尻の位置が安定するため、サーフボード全体のバランスを取りやすくなる。
【0056】
ボード後部10Rの下部にはフィン50が設けられ、このフィン50は、
背面視(図1(b))で、ボード後部10Rから下方に垂下される垂下板51と、この垂下板51の下部から左右下方に向かって延びる傾斜板52,52とを有する、背面視逆Y字形のフィンである。
【0057】
このように構成すると、サーフボード1の左右方向(図1(b)において矢印R1,R2方向)の揺れに対する抗力が、垂下板51と、左右の傾斜板52,52とによって効果的に得られるので、サーフボード1の左右方向の揺れに対するバランスを取りやすくなる。
すなわち、サーフボードが左右に揺れた場合、逆Y字型フィン50の左右下方に延びた傾斜板52,52が海水を押しのけることになり、その反作用により、反回転モーメントが働き、サーフボードの左右の揺れ(矢印R1,R2方向)に対するバランスを取りやすくなる。
また、フィン50自体の強度も向上する。
【0058】
図1において、60はボード先端部に設けられた、曳航用のアイボルトである。
このアイボルト60にロープを連結してサーフボード1を曳航したり、図4(b)に示すように、サーフボード1に子供UCを乗せ、大人UAがロープ61を引いて一緒に遊ぶことができる。
【0059】
以下、さらに詳しく説明する。
【0060】
ボード本体10は、公知の適宜の材料、例えば、発泡ウレタン、発泡スチロール等の軽量合成樹脂で構成することができる。表面には公知の合成樹脂層(被覆層)等による防水および強度向上処理を施すことが望ましい。
図1に示すように、ボード本体10の中央部13は平面となっており、この平面13の周囲が傾斜面14となっている。
【0061】
肉厚部である座部20は、ボード本体10と同一材料で一体的に構成することもできるし、別体として、適宜の接合手段(例えば、接着、溶着、ボルトナット、ビス等)でボード本体10に接合することもできる。
【0062】
座部20のボード本体10の下面側には、平面視で座部20と略同形の肉厚部24が設けられている。
この肉厚部24は、整流体としての役割も果たす。
この肉厚部24も、ボード本体10と同一材料で一体的に構成することもできるし、別体として、適宜の接合手段(例えば、接着、溶着、ボルトナット、ビス等)でボード本体10に接合することもできる。
【0063】
取手部30がサーフボードの最大幅W2のセンター位置にすることは、取手に荷重をかけた時、サーフボードが傾かないようにする効果的な位置となる。取手部は使用者Uが掴むことのできる形状であれば、適宜の形状を採用することができるが、左右、前後、上下と常に荷重がかかることから、充分な強度を有するよう考慮する必要がある。
図示の取手部30は、ボード本体10上に設置される3本の縦棒部31と、この縦棒部31の上部を連結する横棒部32と、左右方向中央部において前方に設けられた補強棒部33とを有している。取手部30は、棒状体(パイプを含む)で一体に構成することができるし、またサーフボード本体10と一体に構成することもできる。ボード本体10と別体の取手部30を適宜の接合手段(例えば、接着、溶接、ボルトナット、ビス等)でボード本体10に接合することもできる。
【0064】
フィン50は、公知の適宜の材料、例えば合成樹脂で垂下板51と傾斜板52,52とを一体に構成することができ、公知の適宜の接合手段(例えば、接着、溶着、ボルトナット、ビス等)でボード本体10に接合することができる。
【0065】
アイボルト60は、公知のアイボルトを公知の方法で取り付けることができる。
【0066】
この実施の形態のサーフボード1の全体形状は、従来の一般的なサーフボードに比べれば前後に短く左右に広い形状であり、これによって、左右方向の揺れに対する安定性を高めている。
具体的には、この実施の形態のサーフボード1の各部の寸法は、例えば以下の通りとする。
図5を参照して説明する。(各部の符号については図1を参照のこと)。
【0067】
・左右それぞれの幅W1=50〜70cm(全幅W2=100〜140cm)
幅W1が50cm未満であると、幅が狭すぎて、左右の揺れに対するバランスを取ることが充分ではなくなり、逆に70cmを超えるような幅では広すぎて、波の種類によってはサーフボードの左右への進行方向をコントロールするのが難しくなることが有り得ると同時に、取り扱いが大変になるため、上記内の寸法とすることが望ましい。
図示のものは、W1=60cm、W2=120cmとしてある。
【0068】
・全長L3=100〜120cm
全長L3が100cm未満の場合は取手を掴んで座るのが窮屈になり、120cm超えではサーフボードのコンパクトさがなくなり、扱いにくくなるため、上記の寸法とすることが望ましい。
図示のものは、L3=100cmとしてある。
サーフボードの浮力はL3=100cmで概算浮力は90kg重、L3=120cmでは概算浮力は110kg重となる。
【0069】
・前部10Fの長さL1=35〜45cm
前部10Fの長さL1が35cm未満であると、前部の先端角度θ1が広くなりすぎて走行速度の低下を招くからであり、L1が45cmを超えるような場合はサーフボードの揚力の中心(サーフボードの底面積の中心)を取手位置の近くに設定することが難しくなることに繋がるため、上記の寸法とすることが望ましい。
図示のものは、L1=40cmとしてある。
【0070】
・後部10Rの長さL2=55〜85cm
後部10Rの長さL2が55cm未満であると、座部20および取手部30との間の寸法が小さすぎて、使用者Uが座って取手を掴むのに窮屈すぎることになる。85cmを超えるとサーフボードの大きさが大きくなり過ぎてコンパクトさがなくなり、取り扱いにくくなるため上記の寸法とすることが望ましい。
使用者Uが大人の場合はL2=80cmを標準とし、一回り小さいコンパクトなサーフボードはL2=60cmとする。
図示のものはL2=60cmとしてある。
後部10Rの長さL2=60cmの場合は概算浮力90kg、L2=80cmの場合は概算浮力110kg重である。
【0071】
図示のもののその他の部位の寸法は次の通りである(各部の符号については図1参照)。
・ボード本体10の厚さT1=10cm
(T1=8cmの場合はL2=60cmで概算浮力が70kg重程度になる。)
・ボード本体10のエッジ部の厚さT2=3cm
・ボード本体10の傾斜面14の長さL4=20cm
・ボード本体10下面の座部20に対向する肉厚部24の厚さT4=5cm
(サーフボードの浮力の中心Bが両足の位置の中心にくるようにT4の厚さをT4=5〜10cmの範囲で調節をすることも可能である)
・座部20の長さL5=47cm
・座部20の後部の長さL6=30cm
・座部20の厚さ(高さ)T3=10cm
(浮力の中心Bが両足の中心にくるように座部の厚さ調節をすることも可能)
・取っ手部30の前後方向長さL8=10cm
・取っ手部30の高さH1=10cm
・取っ手部30の左右方向長さW4=40cm
・フィン50の前後方向長さL9=20cm
(サーフボード本体が左右にふらつきやすい場合はL9=20〜40cmの範囲で設定可能)
・フィン50の高さH2=15cm
・フィン50の左右方向長さW5=20cm
・フィン50の垂下板51の高さH3=5cm
(必要ならばH3=10cmも可能)
・フィン50の傾斜板52,52の傾斜角度(夾角)θ2=120度
(θ2=90〜120度も可能)
・アイボルト60のボード先端からの距離L7=7cm
(L7=7〜15cmも可能)
【0072】
上記の構成により、サーフボード1の浮力は、90〜110Kg重程度とする。
【0073】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。例えば、
【0074】
図6に示すように、ボード本体10の前部には、走行速度を高めるための、ノーズ体(平面視先細三角状の波切り体)70を設けても良い。ノーズ体70は初めからボード本体10と一体に構成しても良いし、オプションとして着脱可能に構成しても良い。
【符号の説明】
【0075】
1: サーフボード
10: ボード本体
20: 座部
30: 取っ手部
40: 足置き部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6 
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