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事務用品
 
【発明の名称】鉄製部品の収納容器、及び鉄製部品取り出し方法
【出願人】
【識別番号】523375401
【氏名又は名称】檜山 侑理子
【住所又は居所】大阪府大阪市天王寺区伶人町3-24-203
【代理人】
【識別番号】100205523
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 浩也
【発明者】
【氏名】檜山 侑理子
【住所又は居所】大阪府大阪市天王寺区伶人町3-24-203
【要約】
【課題】画鋲など鉄製部品を収納容器から取り出す場合、必要以上の鉄製部品が収納容器から外にでてしまい、使用しない鉄製部品を収納容器に戻さなければならない。また、画鋲を取り出す場合、針が指にささらないように取り出すことは非常に困難である。
【解決手段】
少なくとも一面が開口された、鉄製部品を収納する収納容器と、前記収納容器の前記開口部を閉口するとともに、磁力による吸着力が発生させられる蓋を備えること特徴とする収納容器を用いることによって、鉄製部品を1個ずつ、安全、かつ、安心して、容易に取り出すことが可能となる。
【選択図】図2
選択図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一面が開口された、鉄製部品を収納する収納容器と、
前記収納容器の前記開口部を閉口するとともに、磁力による吸着力が発生させられる蓋と、
を備えること特徴とする収納容器
【請求項2】
前記蓋の少なくとも内側、又は外側に永久磁石が固定されている、
ことを特徴とする請求項1記載の収納容器
【請求項3】
前記蓋の素材は、プラスチックマグネットである、
ことを特徴とする請求項1記載の収納容器
【請求項4】
前記蓋には、
電磁石又は永電磁石と、
電磁石を駆動させるための駆動電力と、
電力をON・OFF制御するスイッチと、
を備え、
スイッチのON・OFFで磁力による吸着力を制御する、
ことを特徴とする請求項1記載の収納容器
【請求項5】
前記収納容器を前記蓋で密閉した状態で前記収納容器を1回転させた後に、前記収納容器から前記蓋を外し反転させることで前記鉄製部品を取り出すとともに、前記鉄製部品を取り出した後に、前記収納容器を前記蓋で閉口し磁力による吸着力を弱めることで前記蓋に吸着していた前記鉄製部品を前記収納容器側に戻す、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4記載の収納容器の鉄製部品の取り出し方法
【請求項6】
請求項1乃至請求項3に記載の前記収納容器において、
前記蓋を叩くことで前記蓋に発生する吸着力を弱める、
ことを特徴とする請求項5記載の鉄製部品の取り出し方法
【請求項7】
請求項4に記載の前記収納容器において、
前記電力を前記スイッチでOFFすることで前記蓋に発生する吸着力を弱める、
ことを特徴とする請求項5記載の鉄製部品の取り出し方法
【請求項8】
蓋が鉄製材料から構成され、蓋の外側に磁石が着脱可能に配置された請求項1記載の収納容器において、蓋から磁石を離すことにより磁力を弱める、
ことを特徴とする請求項5記載の鉄製部品の取り出し方法
【請求項9】
前記収納容器と前記蓋にねじ込み溝を備え、
前記収納容器と前記蓋の閉じ込みをねじ式とする、
ことを特徴とする請求項1記載の収納容器
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄製部品の収納容器の構造と収納容器から鉄製部品を取り出す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、収納容器として、その底面に磁石を貼り付け、冷蔵庫などの鉄製側面に固定可能とした収納容器は存在していた。画鋲など鉄製部品をその収納容器から取り出す場合、収納容器の蓋を開け収納容器を傾けることで収納容器内から収納容器外へ鉄製部品を出したり、指で鉄製部品をつかんだりする。この場合、必要以上の鉄製部品を収納容器から外に出す必要があるため、使用しない鉄製部品を収納容器に戻す必要がある。
【0003】
一方、頭部が鉄製の薄い円盤状で、その中心に鉄製の針がはめ込まれた画鋲を取り出す場合、収納容器内には針先端が様々な向きに積み重ねられた状態であり、指でつかむ際に針が指にささらないようにすることは非常に困難であるとともに、収納容器を傾けて収納容器から机上に出し、ある程度向きがそろったとしても、針で指をさしそうで安心して取り出すことは困難である。
【0004】
ここで、上記の画鋲に対しては、頭部を平坦な金属製のものから例えば球形の樹脂製に代表される他の材料で構成し、重心の位置を工夫することで、針部が天井を向かないように工夫した画鋲も存在する。このような画鋲の場合、さした後の凸凹を目立たせないような用途には使用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特許3119235号
【特許文献2】 実用新案登録3124233号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の発明は、スライド磁石板を設け、蓋をスライドさせることによって、画鋲など鉄製部品を落とす収納容器であり、特許文献2の発明は、画鋲を手に取らず画鋲を打ち込む収納容器であるが、いずれの収納容器も構造は複雑で、扱いも難しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、少なくとも一面が開口された、鉄製部品を収納する収納容器と、前記収納容器の前記開口部を閉口するとともに、磁力による吸着力が発生させられる蓋を備えること特徴としている、
特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、構造も簡易的であり、鉄製部品を1個ずつ、安全、かつ、安心して、容易に取り出すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態1に係る収納容器とその蓋に関する説明図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る収納容器とその蓋の断面に関する説明図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る鉄製部品の取り出し方法に関する説明図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る鉄製部品の取り出し方法に関する説明図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る鉄製部品の取り出し方法に関する説明図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る鉄製部品の取り出し方法に関する説明図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る鉄製部品の取り出し方法に関する説明図である。
【図8】本発明の実施形態1に係る鉄製部品の取り出し方法に関する説明図である。
【図9】本発明の実施形態1に係る鉄製部品の取り出し方法に関する説明図である。
【図10】本発明の実施形態1に係る鉄製部品の取り出し方法に関する説明図である。
【図11】本発明の実施形態2に係る収納容器とその蓋に関する説明図である。
【図12】本発明の実施形態3に係る収納容器とその蓋の構造に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な変形が可能である。さらに、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
<実施形態1>
図1に本発明の実施形態1に係る収納容器1の外観を、図2にその断面をそれぞれに示す。簡単のため、図1及び図2では、収納容器1として円筒状で上方が開口されたものを、蓋2として収納容器1と嵌合される円筒状で下方が開口されたものを、磁石3が蓋2の内面に両面テープや接着剤などの公知の技術を利用して固定されたものを、そして、鉄製部品として画鋲4の場合を図示している。
【0012】
画鋲4は収納容器1の内部にその針の向きがランダムに重なりあって収納されている。画鋲4を収納容器1から取り出す場合、収納容器1に差し込んだ指に針がささることを避けることは不可能に近い。このため、従来は、収納容器1から蓋2を取り外し、開口された収納容器1を傾け、テーブルや机上に画鋲4を出し、将棋倒しのように針で指をささないように慎重に重なりをなくした後、指でつまむ必要がある。さらに、使用したい画鋲4より多くの画鋲4が収納容器1から出てきてしまうため、使用しない画鋲4を再び収納容器1に画鋲4の針が指にささらないように慎重に戻す必要がある。
【0013】
本発明の実施形態1に係る収納容器1では、収納容器1を反転した後、蓋2を取り外すだけで、重なりの少ない状態で画鋲4が蓋2の内面側に吸着された状態とできる。
【0014】
さらに、画鋲4は蓋2の内側面にのみ存在するため、片づけが容易となるとともに、蓋2で収納容器1の開口を閉口した後に、蓋2の上面を軽くたたくことで、磁石3の磁力で蓋2の内面に吸着されていた画鋲4を蓋2から離すことができ、収納容器1側に戻すことができる。
【0015】
図3乃至図10に本発明の実施形態1に係る収納容器1から画鋲4を取り出す方法を示す。各状態において、a)を正面図、b)を断面図でそれぞれ示す。
【0016】
図3に示す通り、収納容器1が蓋2で閉口された初期状態では画鋲4が収納容器1の内側下方に積み重なっている。画鋲4の針の向きとその配置はランダムとなっている。図4に示す通り、収納容器1を180度ひっくり返し、さらに180度ひっくり返す。この操作により、図5に示す通り、蓋2の内側に固定された磁石3の表面に画鋲4が一様に吸着される。
【0017】
ここで、画鋲4が磁石3に吸着される場合の磁石との接触状態は、画鋲4の円盤の平坦面との接触の他、円盤の端と針先端の両方で接触するため、この両者の接触状態の違いから吸着力にも大きな差が発生する。
【0018】
また、磁石3に直接接触している画鋲4を介した磁力により、直接接触して吸着している画鋲4に積み重なって吸着している画鋲4も存在する。そのため、磁石3による磁力の大きさを適当に調整することで、図5に示すように、接触面積が大きい前者の接触状態のみとなり、他の接触面積が小さい接触状態での吸着は発生しない状況が実現できる。
【0019】
つまり、画鋲4の円盤状の平坦部が磁石3に吸着され、画鋲4の針が蓋2から収納容器1側に向いた姿勢の画鋲4が磁石3に吸着されることとなる。この状態から、図6に示す通り、蓋2を収納容器1から取り外し、図7に示す通り、蓋2のみ180度回転させひっくり返すことで、画鋲4の針が上方を向くとともに、画鋲4の円盤が重ならない間隔にて複数の画鋲4が配置されるため、容易に1個ずつ画鋲4を安心かつ安全に取り出すことができる。
【0020】
図8に示す通り、必要な画鋲4を取り出した後、蓋2をひっくり返し収納容器1を閉口させる。以上で片付けが完了するため、従来必要であった使用しなかった画鋲4の片付けが不要となる。この状態では、蓋2の内側に使用しなかった画鋲4が磁石3に吸着されたままである。
【0021】
これは、磁石4による磁力が画鋲4に加わる自重による重力よりも大きいためなので、図9に示す通り、蓋2を上からたたき、画鋲4に衝撃を加え、下向きの衝撃力Nを追加することで、磁力による吸着力を超えた下向きの力を発生させることで、蓋2から画鋲4を離し、図10に示す通り、収納容器1側に戻す。
【0022】
なお、蓋2を他の収納容器1などへ併用しない場合や、片づけの際に蓋2側の磁石3に画鋲4が吸着されたままでも良ければ、蓋2をたたく必要はないことは言うまでもない。
【0023】
以上のように、本発明の実施形態1に係る収納容器1の構成と取り出し方法を利用することで、従来のような手順を踏む必要がないことばかりではなく、針で指をさすこともないため安心・安全に、かつ、1個ずつ容易に取り出すことができるといった著しい効果が得られる。
【0024】
ここでは、円筒状の収納容器としているが、直方体の箱型などでもよい。また、図では密閉容器を図示しているが、目が細かな金属メッシュなどでも、鉄製部品が収納できる構造であればよい。
【0025】
鉄製部品であるヘアピンやクリップなどは画鋲4のような針はないので、指にささるようなことはないが、取り出しが容易になるといった同様な効果が得られる。
【0026】
図2では、磁石3が蓋2の内側に固定された例を示しているが、鉄製部品を蓋2の内側で十分吸着できる磁力が確保できれば、蓋2の外側に固定してもよい。さらに、蓋2をプラスチックマグネット材とすることで、蓋2自身に磁力を持たせてもよく、当然に同様な効果が得られる。
【0027】
また、実施例では、収納容器の開口部が1つの場合だったが、複数個構成してもよい。例えば、収納容器を正多角形としすべての辺に開口部と蓋を構成し、対角線の交点を回転軸とすることで、連続的な取り出しを可能とすることができる。蓋の開閉を回転式とし蓋が上面側に移動した際に、蓋を反転することで上面に鉄製部品を配置することができる。
【0028】
工業製品の板金部品などの鉄製部品に利用することで、収納容器からの1個取りを高価な画像システムを利用せずに安価に実現できる。
【0029】
<実施形態2>
図11a)に本発明の実施形態2に係る収納容器1の外観を、図11b)にその断面を示す。実施形態1との構造上の違いは、蓋2が鉄製材料であること、蓋2の上方に磁石3が着脱可能に設置されることの2点である。
【0030】
取り出し方法もほぼ実施形態1と同じであり、唯一の違いは、蓋2に吸着された画鋲4を収納容器1へ戻す方法である。実施形態1では図9に示す通り、蓋2をたたく動作をしたが、本実施形態2では蓋2の上方に着脱可能に設置された磁石3を蓋2から取り外す動作となる。磁石3を蓋2から離すことにより、蓋2を介して蓋2の内側に発生していた磁力による吸着力がなくなり、収納容器1側に画鋲4が戻される。
【0031】
以上のように、本発明の実施形態2に係る収納容器1の構成と取り出し方法を利用することで、実施形態1に記載の効果の他、磁石3を蓋2の平坦部に一様に設置する必要がなく、既存の収納容器1を容易に取り出しが容易な収納容器に改善することができるといった、著しい効果が得られる。
【0032】
また、実施形態1、2では磁石として永久磁石での例を示したが、電磁石や永電磁石を利用して、これらを駆動する駆動電力を電池などで実現するとともに、ON・OFF制御用のスイッチを持たせることで、磁力による吸着力を制御しても同様な効果が得られることは言うまでもない。
【0033】
<実施形態3>
図12に本発明の実施形態3に係る収納容器1の断面を示す。本実施形態1、2において収納容器1と蓋2とははめ込み構造で締結されている。この場合、繰り返しの着脱により摺動部が摩耗し、反転時に蓋2が外れる可能性がある。画鋲4は針が存在するため、けがをする可能性がある。
【0034】
本実施形態3では、収納容器1と蓋2にねじ込み溝を備えることにより、ペットボトルの蓋構造のようなねじ込み式とし、確実な閉口ができ、反転時に蓋2が収納容器1から外れることを確実に防止できる。
【0035】
以上のように、本発明の実施形態3に係る収納容器1と蓋2の構造を利用することで、長期間、確実な閉口状態を確保できるといった、著しい効果が得られる。
【0036】
ここでは、簡単のため、ねじ込み式を図示したが、水筒のように収納容器1と蓋2とを回動自在の回転軸で締結し、収納容器1の開口を蓋2で閉口した後に、ロックできる構造など、公知の技術で開口を閉口する構造を具備しても同様な効果が得られることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0037】
1...収納容器
2...蓋
3...磁石
4...画鋲 
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
【図8】
図8
【図9】
図9
【図10】
図10
【図11】
図11
【図12】
図12
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