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事務用品
 
【発明の名称】綴じ紐通し補助具
【特許権者】
【識別番号】515138975
【氏名又は名称】濱津 由利香
【住所又は居所】埼玉県川口市東川口5丁目18番19号
【代理人】
【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範
【代理人】
【識別番号】100129399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺田 雅弘
【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
【発明者】
【氏名】濱津 由利香
【住所又は居所】埼玉県川口市東川口5丁目18番19号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書類束に形成されている綴じ紐を通すための一対の綴じ孔にそれぞれ挿入される一対の差込棒からなる綴じ紐通し補助具であって、
前記差込棒は、
前記綴じ孔に挿入される直線状の本体部と、
当該本体部の一端部に形成され、前記綴じ孔に挿脱自在な大きさのリング部と、
前記本体部の他端部に形成され、前記書類束における前記綴じ孔の縁部に係合する移動規制部と、を備えることを特徴とする綴じ紐通し補助具。
【請求項2】
前記移動規制部は、前記綴じ孔の直径よりも大きい直径の球体からなること特徴とする請求項1記載の綴じ紐通し補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類に形成された綴じ孔に綴じ紐を通す際に使用される綴じ紐通し補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
図5に示すように、複数の書類を、綴じ紐104を用いて綴じることによって冊子100を作成する際には、まず、複数の書類を揃えて穴あけパンチに装着して一対の綴じ孔102を穿孔する。次に、この一対の綴じ孔102が連なることによって形成される二つの貫通孔に綴じ紐104の両端部を通し、綴じ紐104の両端部を結ぶ。これにより、冊子100が作成される。また、冊子100に新たな書類を追加する際には、綴じ紐104を一旦ほどき、追加する書類に穿孔した一対の綴じ孔102に綴じ紐104の両端部を通してから、再度、綴じ紐104を結ぶ。これにより、冊子100に新たな書類が追加される。
【0003】
また従来、この種の技術として、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1には、細長い棒状体の後端部に、綴じ紐先端部を圧入係止するための中空部が形成された書類用綴じ紐の補助具について開示されている。この書類用綴じ紐の補助具を用いることにより、パンチ孔の有る無しに拘らず、書類束への紐通しを簡単かつスムーズに行うことが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3026058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、綴じ紐によって綴じられた冊子100の複数の書類の中から特定の書類の複写物を作成する際に、冊子100が厚い場合には、特定の書類全体を複写機の原稿設置面に密着させることができないため、複写物においては一部の画像が歪んでしまう。このため、きれいな複写物を得るためには、綴じ紐によって綴じられた複数の書類の中から特定の書類を抜き出して複写機にセットする必要がある。
【0006】
特定の書類を抜き出す際には、綴じ紐を一旦ほどいて、最上の書類から特定の書類あるいはその直前の書類までの書類束を綴じ紐から抜き出してから、特定の書類を抜き出す。そして、特定の書類の複写物を作成した後、その特定の書類を綴じ紐に通し、更に、残りの書類束をまとめて綴じ紐に通す、といった作業が行われる。
【0007】
しかし、綴じ紐から抜き出された残りの書類束は撓み易く、隣合う書類間にずれが生じ易くなる。隣合う書類にずれが生じると、綴じ孔が揃わなくなり、綴じ孔によって形成される貫通孔が小さくなって綴じ紐が通りにくくなる。しかも、特定の書類を複写する作業は、通常、1人で行われ、片方の手で綴じ紐を把持し、もう片方の手で残りの書類束を把持するため、書類束が撓んで綴じ孔が揃わなくなり易くなる。このように、特定の書類を抜き出すまでは容易にできるが、抜き出された書類束を元に戻す作業については困難性が高い。
【0008】
また、綴じ紐は、綴じ孔に通しやすくするために、両端部が所定の長さ分だけ固められて、棒状に形成されている。しかし、残りの書類束が厚い場合には、残りの書類束に対して一度にまとめて綴じ紐を通すことができない場合がある。この場合には、残りの書類束を数回に分けて綴じ紐を通すことになるため、冊子100を元に戻すまでに時間がかかる。
【0009】
そこで、綴じ紐によって綴じられた複数の書類から特定の書類を抜き出す作業及び元に戻す作業が容易できる綴じ紐通し補助具の出現が望まれる。
【0010】
本発明は、このような問題点を解決し、綴じ紐によって綴じられた複数の書類から特定の書類を抜き出す作業及び元に戻す作業を容易に行うことを可能にする綴じ紐通し補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するため、本発明は、次に記載する構成を備えている。
【0012】
(1) 書類束に形成されている綴じ紐を通すための一対の綴じ孔にそれぞれ挿入される一対の差込棒からなる綴じ紐通し補助具であって、前記差込棒は、前記綴じ孔に挿入される直線状の本体部と、当該本体部の一端部に形成され、前記綴じ孔に挿脱自在な大きさのリング部と、前記本体部の他端部に形成され、前記書類束における前記綴じ孔の縁部に係合する移動規制部と、を備えることを特徴とする綴じ紐通し補助具。
【0013】
(1)によれば、例えば、綴じ紐によって綴じられた複数の書類の中から特定の書類を抜き出す際に、綴じ紐をほどき、綴じ紐が綴じ孔に挿入されている状態で最上の書類から特定の書類の直前の書類までの書類束と残りの書類とを分ける。そして、書類束の綴じ孔が連なることによって形成される2つの貫通孔にそれぞれ差込棒を挿入し、特定の書類の直前の書類の綴じ孔からリング部を突出させてから、綴じ紐を抜き出す。若しくは、書類束から綴じ紐を抜き出した後に、2つの貫通孔にそれぞれ差込棒を挿入し、特定の書類の直前の書類の綴じ孔からリング部を突出させる。これにより、抜き出された書類束がバラバラにならないように一対の差込棒によって保持されるようになり、抜き出された書類束を簡易的な冊子としてそのまま使用することが可能になる。また、綴じ紐を外した書類束を元に戻す場合には、特定の書類を元に戻した後、綴じ紐の端部をリング部に挿入し、移動規制部を引っ張ってリング部を綴じ孔から抜き出すことにより、書類束の綴じ孔に綴じ紐が通され、綴じ紐の先端部が書類束の最上の書類から引き出される。最後に、綴じ紐の両端部同士を結ぶことによって、元の冊子に戻すことが可能になる。このように、綴じ紐を外した書類束がバラバラにならないように保持することが可能になるとともに、抜き出した書類束を元に戻す作業が容易になる。また誤って綴じてしまった書類を取り除く場合、綴じ忘れた書類等を追加する場合等にあっても、同様にして、容易に作業することができる。
【0014】
(2) (1)において、前記移動規制部は、前記綴じ孔の直径よりも大きい直径の球体からなること特徴とする綴じ紐通し補助具。
【0015】
(2)によれば、移動規制部が綴じ孔を通り抜けることが確実に防止される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、綴じ紐によって綴じられた複数の書類から特定の書類を抜き出す作業及び元に戻す作業を容易に行うことが可能な綴じ紐通し補助具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態における綴じ紐通し補助具の外観を示す斜視図である。
【図2】本実施形態の綴じ紐通し補助具1の使用方法を示す説明図である。
【図3】本実施形態の綴じ紐通し補助具1の使用方法を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態における綴じ紐通し補助具の変形例の外観を示す斜視図である。
【図5】複数の書類を、綴じ紐104を用いて綴じてなる冊子100の外観を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態における綴じ紐通し補助具1の外観を示す斜視図である。
綴じ紐通し補助具1は、図5に示す冊子100において、綴じ紐104から抜き出した書類束に形成されている一対の綴じ孔102(図5参照)に一時的に差し込まれるものである。
【0020】
綴じ紐通し補助具1は、一対の差込棒5、5からなり、差込棒5は、本体部10と、リング部12と、移動規制部に相当する球体部14と、からなる。
【0021】
本体部10は、直線状に延びる細長い金属棒からなる。
リング部12は、本体部10の一端部に曲げを施すことによってリング状に構成されている。本実施形態によれば、リング部12は、本体部10の一端部が弧状に形成されており、この弧状部分の基端部を折り返して、弧状部分の先端を本体部10に近接させることによって形成されている。このため、リング部12の内側には、本体部10の長手方向に沿って延びる欠円形の長孔が形成されている。この長孔は綴じ紐104(図5参照)が挿入可能な大きさに設定されている。
【0022】
ところで、穴あけパンチによって書類等紙に穿孔される一対の綴じ孔102の大きさ、位置はJIS規格で決められており、ピッチ:80mm±0.5mm、穴径:6mm±0.5mm、奥行:12mm±1.0mmと定められている。
【0023】
リング部12における本体部10の長手方向に対して直角方向の幅が、6mm未満に設定されている。すなわち、リング部12は綴じ孔102に挿脱自在な大きさである。
【0024】
球体部14は、本体部10の他端部に固定される、プラスチック製の球体である。球体部14の直径は、6mmより大きく設定されており、本実施形態においては、10mmに設定されている。すなわち、球体部14は、綴じ孔102の縁部に係合する大きさであり、差込棒5のリング部12を綴じ孔102に挿入した場合、本体部10は綴じ孔102を通過するが、球体部14は綴じ孔102を通過することができない。
【0025】
次に、本実施形態の綴じ紐通し補助具1の使用方法について説明する。綴じ紐通し補助具1は、図5に示す、綴じ紐104によって綴じられた複数の書類の中から特定の書類の抜き出すとともに、複数の書類を冊子100の状態に戻すことに使用される。
【0026】
まず、図2(a)に示す冊子100の中から特定の書類を抜き出すために、作業員は、綴じ紐104をほどいて、図2(b1)に示すように、最上の書類から特定の書類の直前の書類までの書類束100aを綴じ紐104から抜き出す。次に、作業員は、図2(c)に示すように、この書類束100aの綴じ孔102が連なることによって形成される2つの貫通孔にそれぞれ差込棒5を差し込み、特定の書類の直前の書類の綴じ孔102からリング部12を突出させる。なお、図2(a)に示す冊子100の状態から、綴じ紐104をほどいて、綴じ紐104が綴じ孔102に通っている状態で最上の書類から特定の書類の直前の書類までの書類束100aと残りの書類とを分離し、図2(b2)に示すように、書類束100aの2つの貫通孔にそれぞれ差込棒5を差し込んだ後に、書類束100aの2つの貫通孔から綴じ紐104を抜き出してもよい。
【0027】
これにより、綴じ紐104が外された書類束100aは、バラバラにならないように綴じ紐通し補助具1によって保持されるようになり、例えば、冊子100の中から特定の範囲の書類をまとめて抜き出して簡易的な冊子状にしておくことが可能になる。なお、書類束100aが厚く、リング部12に近い書類の一部がリング部12から抜けそうな場合には、綴じ孔102の直径よりも長い針金部材をリング部12に挿入して、書類の移動を規制しておくとよい。
【0028】
そして、作業員は、特定の書類を抜き出し、複写機に載置して複写物を作成するといった所定の作業を行った後、特定の書類の綴じ孔102に綴じ紐104を挿入して、特定の書類を元に戻す。更に、図3(a)に示すように、作業員は、綴じ紐104の端部を一方の差込棒5のリング部12に挿入し、球体部14を引っ張って、図3(b)に示すように、リング部12を綴じ孔102から抜き出す。これにより、綴じ紐104が書類束100aの綴じ孔102に通され、綴じ紐104の先端部が書類束100aの最上の書類から引き出される。他方の差込棒5のリング部12にも同様に綴じ紐104の端部を挿入し、球体部14を引っ張って、リング部12を綴じ孔102から抜き出す。この段階で、図3(c)に示すように、綴じ紐104の先端部が書類束100aの最上の書類から引き出される。最後に、図3(d)に示すように、作業員が、綴じ紐104の両端部同士を結ぶことによって、複数の書類が元の冊子100に戻る。
【0029】
以上説明したように構成された本実施形態によれば、綴じ紐104を外した書類束100aの綴じ孔102に差込棒5を挿入することにより、書類束100aはバラバラにならないように差込棒5によって保持される。そして、特定の書類を抜き出し、所定の作業を行って特定の書類を元に戻した後、綴じ紐104の端部をリング部12に挿入し、球体部14を引っ張ってリング部12を綴じ孔102から抜き出すことにより、書類束の綴じ孔102に綴じ紐104が通され、綴じ紐104の先端部が書類束の最上の書類から引き出される。最後に、綴じ紐104の両端部同士を結ぶことによって、複数の書類が綴じ紐104によって綴じられた元の状態に戻すことが可能になる。このように、書類束100aを元に戻す作業が容易になる。
【0030】
また、球体部14は、綴じ孔102の直径よりも大きい直径の球体からなるため、球体部14が綴じ孔102を通り抜けることが確実に防止される。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、上述した実施形態に限るものではない。例えば、上述した実施形態においては、リング部12が、欠円形に形成しているが、図4に示すように、先細りの菱形であってもよい。また、上述した実施形態においては、球体部14が球体であるが、図4に示すように、球体部14の代わりに、本体部10の他端部が円形になるように曲げを施して円環部15を形成しても、円板体によって形成してもよく、要は、綴じ孔102の縁部に係合して綴じ孔102を通過することができなければ、球体部14の形状は問わない。また、上述した実施形態においては、本体部10及びリング部12は金属によって構成されているが、金属以外でも、例えば、プラスチック製であってもよい。特に、本体部10及びリング部12をプラスチックで構成する場合には、本体部10、リング部12及び球体部14を、例えば射出成形によって一体的に構成することが可能になる。
【0032】
また、上述した実施形態においては、2本の差込棒5、5を使用しているが、それ以上の本数の差込棒5、5を使用してもよく、これにより、例えば、冊子100がかなり厚い場合に、冊子100の複数の書類を、複数の書類束に分けておくことが可能になる。
【0033】
また、上述した実施形態においては、特定の書類を抜き出して元に戻すための作業を例として説明しているが、本実施形態における綴じ紐通し補助具1の用途は、上述したものに限らず、例えば、誤って綴じてしまった書類を取り除く場合、綴じ忘れた書類等を追加する場合等においても適用可能であり、上述した実施形態と同様にして、容易に作業することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 綴じ紐通し補助具
5 差込棒
10 本体部
12 リング部
14 球体部
15 環状部
100 書類
102 綴じ孔
104 綴じ紐 
試作写真1 
試作写真2 
試作写真3 
メッセージ 

見た目はいたってシンプルで何に使うか想像できませんが、実は事務作業に実力を発揮します。
いくらデータ社会とはいえ、原本の書類保管は世界共通です。
紐でつづられた厚い書類束の中へ特定の位置へ1枚を「差し込む」「抜き取る」の作業を、これによってストレスなく行うことができます。(複数枚も同じです)。
この作業は、事務作業ではよくある光景でとても時間がかかり面倒で嫌という方を何人も見てきました。
大事な時間をもっと他のことに使って頂きたいと自信をもっておすすめします。
最初は、綴り紐利用時の目的でしたが紙ファイル使用時でも書類束を分割して外す時や、元の状態に戻すときには、この棒が通し穴の固定・穴通しの誘導をしてくれるので補助具として便利です。
また、小さめの5ミリ穴にも棒を差し込み使用できます。
写真は、今回申請の為に個人で試作したものですが何度も使っています。
お読み頂きご興味頂ける方、詳しくは下記メールかお電話又は書面でご連絡下さい。


メール:pat.yt@tokyo-lx.jp
携帯電話:090−3339−7864
立 石 由 利 香

Auxiliary Tool for Stabbing Documents
By the looks of the auxiliary tool is simple, but in fact it could work so well to office works. Though it has been becoming of information society where the information is saved in an electric device as data, the importance of saving the original document is still commonly recognized in all over the world. The auxiliary tool can ease the stress caused by the at act of “inserting” and “extracting” a paper document to/from a certain location of thick bunch of documents strung together. (the method can be applied to more than one document). I have often heard many people saying that those chores are troublesome and struggling, time consuming thing, which is often seen in any kinds of office works. I can proudly recommend this auxiliary tool for people to be able to use their precious time for other things. At first, it was meant to be used for only strung documents, but it can now be used for paper files or bunch of documents when you want to separate them into some sections or put all documents together back in its original form. The stick can fix the through hole and help smoothly run through it when making it back to the original state. The stick can also be used for more tinny holes like 5mm. the pictures below was made as a trial product for application for the patent, but I could continuously succeed in such attempts. If you are interested in this product after reading this, please contact us by the e-mail address below, telephone, or the document.
【図1】
図1 
【図2】
図2 
【図3】
図3 
【図4】
図4 
【図5】
図5 
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