閉じる
事務用品
 
【発明の名称】指にはめて使用するカッター
【出願人】
【識別番号】303015549
【氏名又は名称】増田 真一
【住所又は居所】奈良県奈良市芝辻町3丁目3番6号
【発明者】
【氏名】増田 真一
【住所又は居所】奈良県奈良市芝辻町3丁目3番6号
【要約】
【課題】
取り出し、刃の出し入れ等の手間を省き、よりスピーディに効率良く切断作業を行なえるカッターを提供する。
【解決手段】
指に嵌めたまま使用する形態を採り、1本または複数の指の第一関節と第二関節の間で留まる様に指を挿入し得る円筒形の開口部を持つ本体に、結束を引っ掛け掬い上げるための舌状突起を、前記本体と狭角を成して接合させ、この本体と板状突起との間に刃を固定させ、カッターを嵌めた指を内側に曲げて結束などを舌状突起で引っ掛けて手前に引くことで切断を行なうカッターを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1本または複数の指の第一関節と第二関節の間で留まる様に指を挿入し得る形状の開口部を持つ本体と、
前記本体と狭角を成して固着された、結束や紙などを引っ掛け掬い上げるための板状突起と、
前記本体と前記板状突起との間に嵌設された刃と、を具備することを特徴とする、指にはめて使用するカッター。
【請求項2】
1本または複数の指の第一関節と第二関節の間で留まる様に指を挿入し得る形状の開口部を持つ本体と、
前記本体と狭角を成して固着された、結束や紙などを引っ掛け掬い上げるための板状突起と、
前記本体と前記板状突起との間に嵌設された刃と、を具備し、
前記本体の開口部に前記板状突起が手の甲側に来る様に、かつ前記板状突起の先端が指先方向を向く様に指に挿入し、
カッターを使用する際は、前記本体に挿入した指を手の平側に曲げ、下側に来た前記板状突起で結束を引っ掛け、手前に掬い上げて結束を切断することを特徴とする、
指にはめて使用するカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、指にはめて使用するカッターナイフに関するものである。
【背景技術】
従来にはナイフやカッターに関して、使用時の利便性を考慮して簡単に取り出しまた収納することを目指して、ナイフの柄がそのままベルトに引っ掛けるフックを兼ねる、という方法があった。(例えば特許文献1参照)
また、刃の出し入れの利便性を考えて、片手にとって把持するのみで簡単に刃を露出させることができる構造を持つものがあった。(例えば特許文献2参照)
【特許文献1】
特開平10−76078号公報
【特許文献2】
特開平7−289750号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
これまでのカッターやナイフにあっては、利便性や安全性を確保する上で様々な工夫がなされてきた。前記の文献に見るように、刃の出し入れの行程を簡略化する、カッターナイフをいちいちポケットから出したり収納したりする手間を省くためにナイフをベルトに引っ掛けられる様にする等の方法が見られたが、切断作業時のみカッターやナイフを取り出して手に持ち、刃を出して切断作業をし、また刃を仕舞い、カッターやナイフを仕舞うという一連の作業を繰り返すことに変わりはなかった。ところが切断の作業が頻繁に続くときなどこれらの行程が煩雑で時間的なロスが大きく効率的とは言えなかった。本発明が解決しようとする課題は、いかにすればカッターの取り出し、刃の出し入れ等の手間を省き、よりスピーディに効率良く切断作業を行なえるか、という点にある。
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するものとして本発明ではカッターを指に嵌めたまま使用する形態を採り、1本または複数の指の第一関節と第ニ関節の間で留まる様に指を挿入し得る円筒形の開口部を持つ本体に、結束を引っ掛け掬い上げるための舌状突起を、前記本体と狭角を成して接合させ、この本体と板状突起との間に刃を固定させ、カッターを嵌めた指を内側に曲げて結束などを舌状突起で引っ掛けて手前に引くことで切断を行なう装置を提供するものである。
カッター本体の形状は、1本または複数の指を嵌めることができる開口を持つ円筒形もしくは円筒形が2つ並列された形状とし、開口の大きさは、指の第一関節と第ニ関節の間で留まる様に指を挿入し得て、嵌める指が適度の抵抗をもって本体に嵌まる程度の大きさとし、かつ本体の開口方向に平行な奥行きは、指の第一関節と第ニ関節間の長さより若干短い長さとする。また本体の大きさや形状は、指を内側に曲げたときに指の関節に支障が出ないようなものでなくてはならない。
また、本体の開口部縁端部付近から本体に結合される舌状突起は、本体の開口方向軸と狭角を成して突出し、かつ結束を引っ掛けて掬い上げられる様に舌状の形状を成すものとする。
本体と舌状突起との間に刃を着設するが、刃は前記舌状突起から斜めに立ち上がり前記本体に嵌装される様に着設されるものとする。この時、前記舌状突起の、本体に面した面と刃先とが成す角度は鈍角とし、刃先と、本体の舌状突起に面した面とが成す角度は鋭角となるようにする。これにより、フックの舌先で掬い上げられた結束や紙などが舌状突起から刃に滑りながら移動し、最後に刃先と本体との接合部分で引っ掛かり、なお引っ張り続けられることで結束や紙などが切断されることになる。
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
刃が絶えず使用状態を保ったまま固定されており、かつ指にはめて使用できるので、指にはめておきさえすれば、切断作業に移る際にわざわざポケットやベルトなどから取り出してまた刃を出す、切断作業が終わった際も刃を仕舞いポケットやベルトなどに戻す、といった行程が不要なため時間や労力の無駄が無い。また切断の作業中でない時も指にはめたまま手指を自由に使えるため他の作業もできるといった利点を持つ。また結束等を舌状突起に引っ掛けて掬い上げる方式を採るため刃は梱包等に接触することがなく、従来のカッターによる作業のように梱包等を刃で誤って切ったりすることもない。それと同時に、切断作業中に刃が手指に触れる可能性が無いため、安全に作業することができる。またサイズが小さく比較的軽量で携帯性も良好である。更に構造がシンプルで部品点数も少なく製造コストを低く抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。
図1、図2は指1本を挿入する本体1を持つ実施例の斜視図である。本体1に設けられた開口2は円筒形または略円筒形であり、その直径は指を挿入したときに適度の抵抗をもって本体に挿入できる程度の大きさとし、その奥行きは挿入する指の第一関節と第ニ関節間の長さより若干短い長さとする。なお挿入する指は、力の入り具合から考えても人さし指または中指が適当である。
また本体1の大きさや形状は、指を内側に曲げたときに指の関節の動きに支障が出ないようなものでなくてはならない。そのために本体の開口を持つ面12と13は、本体の開口2の方向と直交する面に対してある程度の角度がつけられている。また本体1と、本体の開口部縁端部34付近から本体に結合される、結束を引っ掛けて掬い上げる舌状突起3とは一体成形であることが望ましい。
図3は指1本を挿入する本体1を持つ実施例の側面図であるが、本体の一面11と舌状突起の一面31が成す角度は20度から40度程度である。刃4は本体の舌状突起に面した側11と、突起の舌状本体に面した側31との両方に嵌設されている必要がある。なお舌状突起の一面31と刃先42とが成す角度は鈍角とし、刃先42と本体の一面11とが成す角度は鋭角となるようにする。
舌状突起の縁端32付近で掬い上げられた紐などの結束は、そのまま刃先42上を移動しながら破断を始め、本体1と刃4の交わる位置43でより強い抵抗を受けて完全に破断する。
図4は指1本を挿入する本体1を持つ実施例の平面図である。本体の二か所の開口21と22の直径は同じでも良いが、前記の様に指を挿入したときに適度の抵抗をもって本体に挿入できる様にするためには、指の形状から考えて多少の22の方が21より大きい直径を持つことが望ましい。
【実施例1】
図6は指2本を挿入する本体100を持つ実施例の斜視図である。本体が指2本を挿入するため開口を二つ持つこと以外は、図1、図2に見る指1本を挿入する本体を持つ実施例と基本的な構成は変わらない。指1本のタイプよりこちらの方が舌状突起300も大きくでき、また指2本で引くことができるため、より太い、または強靱な結束に使用することができる。
図7は指2本を挿入するタイプを実際に指に嵌めて結束を引く時の使用図である。このように指を内側に曲げて引くので力が入りやすく、また指先が結束に引っ掛かることもない。また舌状突起300が梱包に接し、刃400は梱包に接することは無いので梱包を傷つける心配もない。
【発明の詳細な説明】
【図1】 図1は指1本を挿入する本体を持つ実施例の斜視図である。
【図2】 図2は指1本を挿入する本体を持つ実施例の別方向からの斜視図である。
【図3】 図3は指1本を挿入する本体1を持つ実施例の側面図である。
【図4】 図4は指1本を挿入する本体1を持つ実施例の平面図である。
【図5】 図5は指1本を挿入する本体1を持つ実施例の正面図である。
【図6】 図6は指2本を挿入する本体を持つ実施例の斜視図である。
【図7】 図7は指2本を挿入する本体を持つ実施例を実際に指に嵌めて結束を引く時の使用図である。
【符号の説明】
1 指1本を挿入する実施例における本体
11 指1本を挿入する実施例における板状突起と面する本体の1面
12 指1本を挿入する実施例における本体の、開口を持つ第1の面
13 指1本を挿入する実施例における本体の、開口を持つ第2の面
2 指1本を挿入する実施例の本体の開口部
21 指1本を挿入する実施例の本体の開口の第1の縁端部
22 指1本を挿入する実施例の本体の開口の第2の縁端部
3 指1本を挿入する実施例における舌状突起
31 指1本を挿入する実施例における舌状突起の、本体に面した面
32 指1本を挿入する実施例における舌状突起の、最前端部
33 指1本を挿入する実施例における舌状突起の、刃に接する最前端部
34 指1本を挿入する実施例における舌状突起の、刃に接する最後端部
4 指1本を挿入する実施例における刃
41 指1本を挿入する実施例における刃の最前端部
42 指1本を挿入する実施例における刃のブレード部
43 指1本を挿入する実施例における刃の最後端部
100 指2本を挿入する実施例における本体
101 指2本を挿入する実施例における板状突起と面する本体の1面
200 指2本を挿入する実施例の本体の第1の開口部
201 指2本を挿入する実施例の本体の第2の開口部
300 指2本を挿入する実施例における舌状突起
301 指2本を挿入する実施例における舌状突起の、本体に面した面
302 指2本を挿入する実施例における舌状突起の、最前端部
303 指2本を挿入する実施例における舌状突起の、刃に接する最前端部
304 指2本を挿入する実施例における舌状突起の、刃に接する最後端部
400 指2本を挿入する実施例における刃
401 指2本を挿入する実施例における刃の最前端部
402 指2本を挿入する実施例における刃のブレード部
403 指2本を挿入する実施例における刃の最後端部
【図1】
図1
【図2】
図2
【図3】
図3
【図4】
図4
【図5】
図5
【図6】
図6
【図7】
図7
ページtop へ